取引先で落下、画面が砕けた状態でのご来店
先日、大阪市中央区で不動産業を営まれている 40 代の男性が、当店にお越しくださいました。お持ちいただいたのは iPhone X。取引先での打ち合わせ中、テーブルから滑り落ちた拍子に床へ叩きつけられたとのことでした。
受け取った瞬間に分かるほど、表面のガラスは派手に砕けていました。右上から左下へ斜めに走る亀裂が一本、そこから蜘蛛の巣状に広がる細かいヒビ。タップすると指先にガラス片が触れる感触があり、ご本人も「もう触るのが怖くて」と苦笑いされていたのが印象的です。

ただ表示そのものは生きており、ロック画面で顔をかざすと Face ID のアニメーションがきちんと動作していました。お話を伺うと、契約書のスキャンや顧客情報のやり取りに毎日使っており、買い替えの選択肢は取りづらい、データもなるべく触りたくないという状況。同じ症状の他事例でも、業務利用中の方からのご相談は本当に多くあります。
当店での診断 — Face ID が生きている iPhone X の意味
iPhone X はスマートフォン業界に Face ID を初めて持ち込んだ機種で、2017 年の発売から数えるともう古参の部類になります。それでも当店には月に 3〜4 件、画面割れでのご相談が今でも入ってきます。長く使われてきた一台、というケースが多いようです。
診断ではまず、画面の各エリアを順にタッチして反応を確認しました。割れの大きさのわりにタッチ感度は全域で生きており、3D Touch の押し込みも認識しています。続いて Face ID の登録解除と再設定を試したところ、こちらも問題なく完了。これが分かった時点で、修理方針はほぼ固まりました。
iPhone X の Face ID 関連部品は、画面側のドットプロジェクタや赤外線カメラが含まれており、画面交換の際にこの部品をきちんと元の画面ユニットから新しいユニットへ移植する必要があります。経験上、ここで一手間を惜しむと顔認証が使えなくなってしまうため、当店ではすべての iPhone X 案件で慎重に取り回すよう徹底しています。
お見積もり段階で「Face ID の維持を最優先で進めます。ほとんどのケースでは保持したまま復旧できますが、内部基板側の損傷があった場合のみ顔認証が使えなくなる可能性があります」と正直にお伝えしました。お客様もご納得され、その場で正式にお預けいただくことになりました。なお、分解前のお見積もりは無料、お見積もり提示後のキャンセルも可能です。料金は機種・症状によって異なるため、詳しくは修理料金の目安のページをご覧ください。
画面交換と Face ID 部品の移植工程
作業はいつもの手順から入ります。電源を落とし、本体下部のペンタローブネジを外し、画面側を開く。iPhone X はパッキンの密着が他機種より強めで、力加減を誤ると基板側のフレキを傷めかねません。当店ではヒートマットで本体縁を温めながら、薄いピックを少しずつ滑らせて開封しています。
開いてから取り外すのは、まず画面側のシールド板。その下に並ぶ Face ID 関連の小さな部品 — フラッドイルミネータ、ドットプロジェクタ、赤外線カメラ、近接センサ — を、それぞれに対応した専用ドライバで丁寧に取り外していきます。ここで使うネジは数種類あり、長さや形状が混ざってしまうと組み戻しのときに筐体側を傷めるおそれがあるため、磁石付きのトレーで位置ごとに仕分けしました。
新しい画面ユニットを準備し、お客様の元の画面から外した Face ID 部品一式をそのまま新画面側に移植していきます。今回はイヤースピーカーと近接センサユニットが固まりとして外れたので、そのままセットで取り付け。フロントカメラも同様に純正部品を流用しました。
組み立て後はすぐに画面を貼り合わせず、まず仮接続の段階で電源を入れ、Face ID の認証テストを行います。これは当店で以前からの決まった手順で、確実に通ったことを確認してから本締めに進みます。今回も一発で認証が通りました。最後に防水・防塵パッキンを新品に交換し、密閉処理。お預かり時間は混雑状況や在庫により前後しますが、目安として 1 時間半ほどで作業を終えることができました。同じ画面割れでも、機種によって工程は変わってきます。iPad画面割れ修理の流れもご参考までに。
引き渡しの瞬間、そして仕事復帰へ
受付カウンターでお客様に端末をお返しすると、まずロック画面で顔認証を試されました。一瞬の間を置いてホーム画面が開き、思わず「あ、いけた」と声が漏れるような表情をされたのを覚えています。砕けていた画面が嘘のようにフラットなガラスに戻り、契約書アプリも問題なく開ける。データもすべてそのまま残っていました。
ご本人からは「これで明日からまた現場に出られる」というひと言。当店としても胸をなで下ろした一瞬でした。仕事道具としての iPhone は、止まる時間が長ければ長いほど影響が大きい。だからこそ、診断・見積もり・作業を一日のうちで進められるように段取りしています(機種・症状・部品在庫によっては当日返却が難しいケースもあります)。
当店は 2019 年から大阪・松屋町で営業を続けており、住所は中央区松屋町住吉 6-26、営業時間は 10:00〜19:00、水曜定休となります。基板修理を含めたスマートフォン・タブレットの修理を専門に対応しており、修理後は技術基準適合確認のうえお引渡ししております。交換した部品に対しては 3 ヶ月の動作保証(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページ)。
iPhone X はもう新品の入手が難しい機種ですが、画面さえ復旧すれば本体としてはまだまだ現役で使えます。同じように落として割ってしまった、Face ID は生きている、データを失いたくない — そうしたご相談は 大阪・松屋町スマエキまでお気軽にどうぞ。来店だけでなく郵送での修理依頼も承っています。他の修理エピソードは修理ブログ一覧からご覧いただけます。
よくある質問
iPhone X の画面交換で Face ID は維持できますか?
多くのケースでは、元の画面ユニットから Face ID 関連部品(ドットプロジェクタ・赤外線カメラなど)を新しい画面ユニットに移植することで、Face ID をそのまま使い続けていただけます。ただし内部基板側に損傷がある場合は顔認証が使えなくなる可能性があるため、診断時に実機の状態をご確認します。
画面が割れた状態でも Face ID とタッチが動いていれば修理は可能ですか?
はい、表示・タッチ・Face ID が生きていれば、画面交換のみで復旧できる可能性が高くなります。亀裂の位置や程度によってはタッチが部分的に効かないこともあるため、ご来店時に当店で全領域のチェックを行います。
データはそのまま残りますか?
ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能です(基板修理・水没等の重度故障は事前バックアップ推奨)。今回の iPhone X 画面交換でも、写真・連絡先・各種アプリのログイン状態を維持したままお返ししました。
見積もりだけのご相談でも大丈夫ですか?
もちろん大丈夫です。分解前のお見積もりは無料、お見積もり提示後のキャンセルも可能です(分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)。お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
営業時間と店舗の場所を教えてください。
大阪市中央区松屋町住吉 6-26、営業時間は 10:00〜19:00、水曜定休です。松屋町駅から徒歩圏内で、来店修理のほか郵送での修理依頼も承っています。