はじめに
「ゲームをしていたらいきなり電源が落ちてしまった…」という相談、実は思わぬところに原因が隠れてることもあります。当店です。今回は「使用中に突然電源が入らなくなってしまった」とのご相談でご郵送いただいた「Xperia XZ」の修理事例をご紹介します。
修理のご相談について
2010年より修理サービスを提供し、全国24店舗以上で毎年50,000件を超える修理実績を持つ「総務省登録修理事業者」である当店が、実際にお客様からのご依頼で対応した「Xperia XZのバッテリー膨張による修理」のレポートです。
この修理のご依頼は「電源が入らない症状」としてお預かりし、お客様のご了承をいただいたうえでレポートを作成しております。
電源が入らなくなっても必ず直るとは限らない
修理の現場からすると、「電源が急に入らなくなりました、直りますか?」とご相談いただくことは多いのですが、どこが故障しているかはお客様の使い方や故障時の状況で大きく異なります。
一口に「電源が入らない」と言っても、いろんなケースが考えられます:
- バッテリーがかなり劣化し、正常に電源が入らないパターン
- 落下によってバッテリーそのものが損傷してしまった場合
- 充電ケーブルを差しても正常に充電できず、そのままバッテリー残量がなくなってしまったケース(USB端子の接触不良など)
- 強い衝撃で基板のチップや回路が壊れているパターン
- 水に濡れた後、数日経ってから電源が入らなくなったケース
正直なところ、「当店で修理すれば必ず100%直ります」とは一概には言えません。そのため受付時には「いつ」「どこで」「何をしていたか」など、復旧につながるヒントをできるだけ詳しくお聞きしています。
落下した覚えもなく、水に濡れた記憶もなく、バッテリーの持ちも悪くないのに壊れてしまうこともあります。精密機器ですから、やはり壊れる時は壊れてしまう…というのが実情です。心当たりがない場合は、まずバッテリー交換でご案内し、もし他の故障が見つかったり、バッテリー交換だけでは直らなかった場合は、お客様とご予算や預かり期間についてご相談しながら修理を進めることにしています。
Xperia XZの修理開始
前述のご依頼内容に戻ります。
ご相談いただいた際の補足として「充電ケーブルを差すと赤い充電ランプが光ります」「画面が浮き上がっています」というお話をいただきました。Xperia XZは画面が本体に粘着テープで圧着されているシリーズで、分解も画面から取り外して行うため、バッテリー膨張による画面浮きのご相談はよく受ける症状です。
郵送で到着した端末の状態をチェックすると、本体と画面の間にほんのわずかな隙間が確認できました。実際に分解を進めます。
本体と画面の隙間から作業ヘラを入れると、画面が比較的簡単に外れます。ところが、本来あるはずの画面コネクタ保護カバーがありません。バッテリー膨張によってケーブルが引っ張られたか、何かの衝撃で画面部品自体が「半差し」の状態になっていたようです。コネクタのカバーは本体内に転がっていました。
この状態だと「コネクタが半差しで液晶が出力できていなかった」つまり画面が真っ暗だった可能性もあります。
分解を進めて、膨張したバッテリーの交換作業に移ります。
無事起動しました…かと思いきや、元の液晶がほぼ見えません。画面左側に何か衝撃が加わったような跡があり、そこから液晶が破損して液漏れしているようです。
元の画面部品を確認すると、液晶の左側一部に細かい「へこみ」が見られました。バッテリー膨張で画面が浮いた僅かな隙間に異物が入り込んだか、あるいは何らかの衝撃が加わったと考えられます。