失敗の経緯
先日、ネットで購入した互換充電部品でXperia 1 IIの充電口を自分で交換しようとしたお客様が来店されました。「充電できなくなった」とおっしゃって、端末を差し出すその手は少し震えていました。お話を聞くと、ネットの情報を頼りに作業したそうで、交換後は全く充電されず、充電ランプも点かないとのこと。当店で早速診断を開始すると、充電口の取り付け角度がわずかにズレており、基板のランドパターンにヒビが入っていました。このようなケースは月に数件あります。
実は当店では、こうした自己修理後の修理依頼が月に3〜5件あります。多くは充電口かバッテリー交換の失敗です。お客様は「思ったより簡単そうだった」と口をそろえます。詳しくは同機種の他症状の修理事例をご参照ください。
被害状況
本格的な診断に入ります。顕微鏡で基板を確認すると、充電口のフレキケーブルがコネクタからしっかり挿さっておらず、固定用のロックも破損していました。さらに、周辺のコンデンサにひび割れが発生しており、これは静電気による放電の痕跡です。お客様は静電気対策をせずに作業したとのことで、基板上のICが一部破壊されている可能性があります。Xperiaの充電回路は、USB PD対応のため制御ICが複数使われており、静電気に非常に弱いのです。今回の修理には、充電口ユニットの交換だけでなく、基板レベルの配線修復とIC交換が必要と判断しました。お客様には見積もりを提示し、了承を得て修理を開始。まずは破損したフレキパターンを導線でバイパスし、コネクタも新品に交換。充電制御ICも取り寄せて半田付けします。作業時間は約1時間半。当店では、分解前に走行テストで充電状態を測定し、修理後の充電曲線も確認します。
修理後の端末を充電テストに回します。30分ほどでバッテリーが20%から75%まで充電され、正常動作を確認。お客様には、交換した充電部品に対して3ヶ月の動作保証(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外)をお付けしました。お客様は「もう自分でやろうとは思いません」と苦笑い。当店では、こうしたDIY後の修理を多数手がけているため、症状が似ている場合の適切な処置をすぐに判断できます。尚、基板修理が必要なケースでは、データ保持のまま対応可能な場合が多いですが、重度故障の場合は事前バックアップをおすすめしています。また、同じ症状の他事例もありますので、よろしければご覧ください。
修理での回復
結局、元の充電が遅い症状よりもずっと深刻な基板故障に発展してしまったのです。
ここで、Xperiaが充電できない場合の正しい対処法をいくつかご紹介します。まず、充電ケーブルやアダプターの確認。別の純正品を試すのが確実です。次に、充電口のゴミ詰まり。静かにエアブローや爪楊枝で掃除できますが、強くこすらないように。また、「いたわり充電」機能がオンになっていると、80%以上で充電を止めることがあります。設定→バッテリーからオフにできます。そして、端末が高温だと充電が制限されるため、冷ましてから充電してみてください。これらの対処で改善しない場合、基板やバッテリーの劣化が疑われます。2019年から修理を手がける当店では、バッテリー交換や充電口修理を来店・郵送の両方で承っています。料金は機種・症状によって異なりますので、まずはお問い合わせフォームよりご連絡ください。なお、iPhoneのバッテリー交換についても参考になります。
今回のお客様のように、自己修理で基板まで損傷してしまうと、修理費用が高額になるリスクがあります。当店での修理後は、技術基準適合確認のうえお引渡しいたします。なお、修理ブログ一覧で他の修理事例もご覧いただけます。また、修理保証規約もご確認ください。
今後への教訓
今回の教訓:自己修理は工具の精度、静電気対策、認証部品の入手が難しい。修理は専門店に任せるのが確実です。なお、ご来店の流れをご確認いただき、修理をお申し込みください。
よくある質問
Xperiaが充電できない場合、まず何を試すべきですか?
別の充電ケーブルとアダプターを試す、充電口の掃除、端末を冷ます、いたわり充電をオフにする、再起動やOSアップデートを行うなどがあります。それでも改善しない場合は専門店にご相談ください。
自分で充電口を交換するのは危険ですか?
非常に危険です。静電気や基板へのダメージで症状が悪化するケースが多く、修理費用も高額になりがちです。当店では月に数件の失敗例を修理しています。
修理後の保証はありますか?
交換した部品に対して3ヶ月の動作保証をお付けしています(落下・水濡れなどの使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約をご覧ください)。
データは消えますか?
ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能ですが、基板修理や水没等の重度故障の場合は事前バックアップをおすすめしています。