失敗の経緯
先日来店されたお客様、iPhone 13 Proを持ち込まれました。

「画面が真っ暗になったんで、自分で直そうと思って…」とおっしゃいます。ネットで調べて、バッテリー交換が原因かもと思い、互換部品を注文。ところが、コネクタを外すときに基板の小さなチップをはがしてしまったとのこと。
やはり、という印象でした。
被害状況
診断すると、電源は入るが表示が出ない状態。さらに、はがれたチップ周辺にショート痕も。基板のパターンが一部断線していました。お客様は「最初は直ると思ったんですが…」と落ち込み気味。当店では月に3〜4件、同様のDIY失敗例が来ます。特に基板周りは繊細で、静電気や工具の滑りが致命傷になりやすい。このケースでは、ヒーターなしで外そうとしたため、半田が溶けずに無理に引っ張ったのが原因と推測されました。正直なところ、自分で直せる範囲を超えているケースが多いです。
修理での回復
基板修理はプロでも難しい部類です。
まず、顕微鏡で断線箇所を特定。パターンをジャンパ線で繋ぎ、はがれたチップを専用の赤外線リワークステーションで再実装。約1時間半の作業で、電源投入時にAppleロゴが表示されました。
「え、直ったんですか?」と驚くお客様。当店では、基板修理の多くでデータを保持したまま対応可能です。ただし、今回のように基板が著しく損傷している場合は、事前バックアップ推奨です。作業後は動作確認を徹底し、修理ブログ一覧でも同様の事例を紹介しています。料金は機種・症状によって異なりますので、お見積もりのお問い合わせよりご連絡ください。
修理後、お客様は「次からは多くの場合プロに頼みます」と仰っていました。当たり前ですが、その通りです。
今後への教訓
DIYを諦めるべき3つのポイント。
一つ目、工具の精度。家庭用の精密ドライバーではトルク管理ができず、ネジ山をなめたり基板を傷つけるリスクが高い。二つ目、静電気対策。リストバンドやマットなしでは、ICが静電破壊する確率が跳ね上がる。三つ目、認証付き部品の調達難易度。最近のiPhoneは部品交換後にパーツの認証が必要で、純正同等品を手に入れるのは困難。これらをクリアできないなら、プロに任せるのが確実です。
当店では交換した部品に対して3ヶ月の動作保証(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は修理保証規約をご確認ください)。分解前のお見積もりは無料、お見積もり提示後のキャンセルも可能です(分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)。
大切なiPhone、無理なDIYで壊す前に、同機種の他症状の修理事例や修理事例ギャラリーも参考にしてみてください。
よくある質問
iPhoneの基板修理は自分でできますか?
可能ですが、専用工具や電子工作の知識が必要で、失敗するとデータ消失や端末破損のリスクが高いです。当店では多くのDIY失敗例が持ち込まれます。
基板修理にかかる時間はどのくらいですか?
症状によりますが、お預かり時間はおおむね1〜2時間程度です。複雑な断線やIC交換の場合はお預かりとなる場合があります。
修理後、データはそのまま残りますか?
ほとんどの基板修理でデータを保持したまま対応可能です。ただし水没や基板の深刻な損傷がある場合は、事前バックアップを強くおすすめします。