『iPhone 14 Pro を 2 年間、レシピ本撮影の主力として使い続けている』という料理研究家の方にお話を伺いました。当店スマエキ(大阪・松屋町)で先日カメラユニットの修理を担当させていただいたお客様で、お引渡し時に少しお時間をいただき、対談形式で取材させていただきました。

受訪者プロフィール:38 歳・女性、大阪市福島区在住。料理研究家として活動 8 年目、出版社 2 社からレシピ本を計 4 冊刊行。普段は自宅キッチンを撮影スタジオ兼用にしており、平日は撮影、週末はワークショップ講師という働き方。使用機種は iPhone 14 Pro(2 年使用)。今回のご依頼は、油はねによるリアカメラのレンズコーティング劣化に伴うピント不良の修理でした。

『何度拭いても戻らないんです』— 異変に気付いた瞬間

Q. 本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは iPhone 14 Pro を 2 年お使いということですが、料理写真の撮影に使われるようになった経緯から教えていただけますか。

2 年前、レシピ本 3 冊目の企画が動き出した頃に買い替えました。編集さんから「最近の Pro 機ならカバー以外は十分使える」と言われて。実際に使ってみると、シズル感のある寄りの一枚はきれいに撮れます。広角と望遠の切り替えも料理写真と相性が良く、気付けば一冊まるごとこの一台で撮ったレシピ本も出ました。

Q. 2 年使い込まれて、最初に「あれ、おかしい」と感じたのはいつ頃でしたか。

3 ヶ月くらい前、煮込み料理の特集を撮っていた日でした。仕上がりを編集さんに送ったら「今日のだけ霞んでません?」と返事が来て。最初は油の蒸気でレンズが曇っただけだと思ってセーム革で拭いたんです。でも戻らない。次の日になっても戻らない。逆光で撮ると右下にうっすらフレアが出て、AF が迷ってピントが鍋底のほうへ抜けていました。

『仕事道具の劣化』として向き合った

Q. 普段の撮影環境について少しお聞かせください。やはり厨房は、レンズには厳しい環境でしょうか。

厳しいですね。油はねはもちろん、湯気、スパイス類の粉、乳脂肪やバター。撮影中は片手にスマホ、片手にお玉が日常茶飯事で、レンズ正面に直撃する油はねは年に数回はあります。気付いたらすぐ拭くんですが、毎日のことなのでコーティングもすり減っていったんでしょうね。

Q. 普通なら買い替えを考える方も多そうですが、「修理する」と決めた決め手はなんでしたか。

2 年使った中で、撮り方の癖がこの一台に染み込んでいる感覚があったんです。露出補正の手の動き、AF タップの位置。新しい機種に変えると、当面は撮影スピードが落ちる。それに、わたしの場合この機種はもう「仕事道具」なんですね。包丁やフライパンと同じで、研ぎに出すように修理に出すという感覚で、まずは直せるところまで直して使い続けたいなと。

松屋町まで足を運んだ理由

Q. 福島区から松屋町まで地下鉄で来られたんですよね。当店を選ばれた理由を伺ってもいいですか。

カメラの曇りで検索したときに、似た症状の事例ページの中で説明の粒度が一番細かかったんです。「外側を磨くだけでは戻りません」と書いてあって、これは中身まで触ったことがある人の言い方だなと。新しい機種を勧められて終わりじゃなく、現状の一台と向き合ってくれそうだなと感じて、同じ症状の他事例を何度か読み返してから来店を決めました。

Q. 来店当日、最初の印象はいかがでしたか。

撮影データが入ったままなのでその点だけ確認させてください、と最初にお伝えしたら、店主さんが「ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能ですが、念のため受付の段階でバックアップ手順をご案内します」と落ち着いて返してくださって。あの瞬間に、ここはきちんと診てくれる場所だ、と感じました。

診断結果を聞いたとき

Q. 診断の結果をお伝えしたとき、率直にどう感じられましたか。

「外側のクリーニングでは戻らない、レンズユニットごと交換する方向で進めましょう」と提案されたんですよね。基板まで影響が出ていたら作業時間が読めないかも、と覚悟していたので、原因がリアカメラユニットに限定されていてピンポイント交換で解決すると分かったときは安堵しました。お預かり時間の目安と、追加症状が出た場合の連絡フローも先に説明していただけて、その日のうちに次の撮影スケジュールを再調整できたのは助かりました。分解前のお見積もりは無料、提示後のキャンセルも対応可能と最初に明示してもらえたのも、仕事道具を預ける側からするとありがたかったです。

iPhone 14 Pro camera 修理事例

修理から戻ってきた一台で、再び撮る

Q. 受け取り直後に、店頭で試写していただきましたよね。あのときの感触は。

カウンターの小物を撮らせてもらったんですが、AF が一発で来た瞬間に「戻った」と分かりました。逆光で撮ってもフレアが出ない、近距離の解像感も粉っぽくない。家に帰ってその日の夜、買い置きの林檎をワンカット撮ったら、皮の蝋の質感まできれいに描写されていて。料理写真ではこの一瞬の表現が命なので、本当にうれしかったです。

『この場所があってよかった』

Q. 同じように料理写真や商品撮影でスマホを酷使されている方に、伝えたいことはありますか。

「拭いても戻らない」と思った瞬間が、診てもらいに行くタイミングだと思います。わたしは 3 ヶ月放置してしまって、その間に納品した写真は正直、修整で底上げしていました。もう少し早く相談に行っていたら、と今は思います。買い替え以外の選択肢を提示してくれる修理屋さんが大阪・松屋町スマエキみたいに身近にあるのは、フリーランスにとって心強いです。修理イメージは iPad の事例ですがiPad画面割れ修理の流れが参考になりますし、他のケースは修理ブログ一覧から、費用感だけ知りたい方は修理料金の目安も覗いてみてください。

Q. 最後に、また撮影現場で iPhone 14 Pro を使い始めて、今のお気持ちを聞かせてください。

朝、キッチンに立ってこの一台を手に取ったとき、戻ってきたなって思いました。乗り換える未来もいつかは来ると思います。でも、それは「壊れたから渋々」じゃなく、「もう十分仕事をしてくれた一台にお礼を言って、次に移る」というかたちにしたい。来年の春に出る本も、この一台で撮り切ろうと思っています。

店主からの一言 — お話を伺っていて、料理研究家さんにとっての iPhone は撮影機材であると同時に、台所の生き物のような存在なんだなと改めて感じました。当店では月に 3〜4 件、職業柄スマホを酷使される方からカメラ系のご相談を受けます。職人さんの仕事道具を整える感覚で、これからも一台一台と向き合っていきたい。修理後は技術基準適合確認のうえお引渡しし、交換部品には 3 ヶ月の動作保証(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページ)をお付けしています。

よくある質問

iPhone 14 Pro のリアカメラのコーティングが劣化した場合、外側のクリーニングだけで戻りますか?

経験上、表面の油分なら拭き取りで改善するケースもありますが、コーティング層の劣化やレンズユニット内側への油分浸透が起きていると外側清掃では戻らない傾向です。当店ではまず試写診断で内外どちらの問題かを切り分けています。

厨房や工房で日常的に iPhone を使っていますが、レンズ劣化を遅らせるコツはありますか?

撮影前後のマイクロファイバーでの清掃ルーティン、本体ケース内側のアルコール拭き取り、撮影台にレンズ面を直置きしない運用が目安として有効です。完全な防止は難しいものの、相談時期の判断軸になります。

修理中に撮影データが消えないか心配です。バックアップは必須でしょうか?

ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能です(基板修理・水没等の重度故障は事前バックアップ推奨)。リアカメラ単体の交換は基板に直接触れない作業のため、撮影データやアプリ設定は引き継がれる想定です。受付段階でバックアップ手順もご案内しています。

お預かり時間の目安はどのくらいですか?

iPhone 14 Pro のリアカメラユニット交換は、機種・症状によっては当日返却可能なケースもあります。お預かり時間は約 90 分前後を目安としていますが、在庫・混雑状況および追加症状の有無によって前後する場合があります。

福島区から松屋町まで足を運ぶのが難しい場合、配送修理は対応していますか?

はい、当店では来店修理に加え配送修理(郵送依頼)にも対応してきました。お問い合わせフォームから症状をお知らせいただいた後、配送方法と梱包のコツをご案内しています。