失敗の経緯

先日、ネットで部品を買って自分で交換し失敗したiPhone 13 Proが当店に持ち込まれました。お客様は「バッテリーが膨らんできたから自分で直そうと思って」と話されました。確かに本体背面がわずかに浮いていて、バッテリー膨張の兆候が見られました。お客様は動画サイトを参考に、数千円の互換バッテリーを購入し、ドライバーセットも準備して作業を始めたそうです。しかし、バッテリーコネクタのカバーを外す際に、精密ドライバーが滑って基板上の小さな部品を傷つけてしまったとのこと。電源が入らなくなり、慌てて当店に駆け込んできました。

iPhone 13 Pro battery 修理事例

「もうダメかと思いました…」

お客様のお話では、作業中に静電気が気にならず、プラスチック製の机の上で作業したそうです。また、バッテリー引き剥がし用のテープを使わずに、金属製の工具で無理にこじ開けたために、フレキシブルケーブルを傷つけた可能性もありました。当店には月に3〜4件、同様のDIY失敗事例が持ち込まれます。特にバッテリー交換はコネクタ周辺の繊細な作業が多く、工具の精度や静電気対策が重要です。

これらを聞いて、まずは基板診断から始めることにしました。

被害状況

診断の結果、バッテリーコネクタ部分のパターン断線と、周辺のコンデンサ1個が破損していました。また、バッテリー自体も膨張が進んでおり、安全のため即座に取り外しが必要な状態でした。内部を確認すると、バッテリーの粘着テープが剥がしきれておらず、強引に引っ張った跡がありました。幸いにも基板全体へのダメージは限定的で、修理可能と判断しました。

お客様には、交換部品の保証や費用の説明を丁寧に行いました。当店の修理保証についてもご案内し、ご納得いただきました。

正直なところ、バッテリー膨張のまま放置するよりはマシですが、自己交換のリスクは決して小さくありません。

修理での回復

修理は大きく3工程です。まず、破損したコンデンサを交換し、断線したパターンをジャンパ線で復旧しました。次に、純正同等品の認証済みバッテリーを用意し、新品の状態で取り付けました。最後に、動作確認と防水テープの再貼り付けを行い、約2時間でお引渡しとなりました。バッテリー交換に加えて基板修理も発生したため、通常より時間がかかりましたが、お客様のデータはすべて保持できました。

「本当に直ってよかった。もう自分では触りません」とお客様は笑顔で帰られました。当店では、ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能です。ただし、基板修理や水没などの重度故障は事前バックアップを推奨しています。関連する事例としてiPhoneのバッテリー交換についてもご覧いただけます。

修理後は技術基準適合確認のうえお引渡しいたします。

今後への教訓

今回のケースから、DIYを諦めるべき3つのポイントをお伝えします。1つ目は工具の精度。市販の安価なドライバーセットでは、ネジの頭をなめやすく、滑って基板を傷つけるリスクが高いです。2つ目は静電気対策。特に冬場は、作業前にアースに触れるなどの対策をしないと、静電破壊で基板が故障する可能性があります。3つ目は認証付き部品の調達難易度。純正部品は一般には販売されておらず、互換品でも品質にばらつきがあります。当店で使用する部品は信頼できる仕入れ先から調達し、交換後の動作確認を徹底しています。これらのポイントを踏まえ、大切なiPhoneはプロに任せるのが最も確実です。

当店は大阪・松屋町にあり、10:00〜19:00(水曜定休)で営業中です。その他の修理事例も修理事例ギャラリーでご紹介しています。バッテリー交換や修理のご相談は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

よくある質問

バッテリー交換の費用はどれくらいですか?

機種や症状によって異なります。お見積もりは無料ですので、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください(お見積もり提示後のキャンセルも可能ですが、分解診断後は所定の手数料が発生する場合があります)。

自分で交換して失敗した端末でも修理できますか?

多くのケースで修理可能です。コネクタや基板の破損状況によりますが、当店では基板修理にも対応しております。まずはご相談ください。

バッテリー膨張の危険性は?

膨張したバッテリーは発火や破裂のリスクがあります。早めの交換をおすすめします。当店では安全に取り外し、適切に処分いたします。

修理の保証はありますか?

交換した部品に対して3ヶ月の動作保証が付きます(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外です。詳細は保証規約をご確認ください)。