水没故障の修理レポート
今回の作業レポートは、水没して起動しなくなったスマホが復旧するまでの工程についてご紹介していきます。
機種と故障内容
今回お預かりしたスマホはGooglePixel4a(5G)という機種です。本体にモデル番号などの記載がないため、電源が入らなくなってしまうと外観から機種を判別するしかないっていうのが大変ですね。
お風呂の浴槽に落ちて水没したということで、最初は動いてたんですが、20~30分たつと全く起動しなくなってしまったそうです。このままだとデータが引き継げないものも出てくるということで、何とか復旧できないかと当店にご連絡いただきました。
水没修理の基本工程
水没復旧という作業を行うのですが、簡単に言うとスマホを分解して内部を洗浄するという感じです。このGooglePixelは他のメーカーのスマホと比べて構造がだいぶ異なっていて、特にPixel4a(5G)は分解の難易度がかなり高い機種です。
それでは実際の修理工程をご紹介していきます。
ディスプレイの取り外し
まず最初にディスプレイを外していきます。写真は既に外した状態ですが、ディスプレイの周りはしっかり接着されているので、破損させずに剥がす必要があり、実際かなり手間がかかります。作業では本体をヒートマットで温めながら吸盤とパレットナイフを使って、接着をじっくり剥がしていきました。
背面カバーとフレームの分解
ディスプレイが外れたら次はフレームと背面カバーを外していきます。このふたつはネジで留められています。見た感じ背面カバーは簡単そうに見えるんですが、ネジで留まっているのでまずディスプレイを先に外さないといけません。
表側のネジを取り外せば背面カバーは爪で引っかかってるだけなので、割と簡単に外すことができます。ですが背面カバーと本体フレームは2本のケーブルで接続されているので、そのままでは完全には分離しません。基板の上のプレートを外してからケーブルを外すことで、ようやく背面カバーが完全に分離できます。
ちなみにここで使われるネジはトルクス型という歯車みたいな特殊な形をしてます。
基板の洗浄作業
ここからは基板を取り出して、隅々までチェックしながら洗浄作業を進めていきました。あれこれと部品を外していくと、まだ結構水滴が内部に残ってるのがわかります。
右側の細長い部品が基板です。基板は特に念入りにチェックして確認していきました。電子チップの周辺が白っぽく腐食してるのがわかりますか?水没したスマホは時間がたつとこのような腐食が発生します。
腐食は電流を妨げるから、電源がつかなくなったり各種不具合が出たりする原因となります。洗浄液を使ってクリーニングを行い、腐食部分が全部なくなるようにしました。
組立てと起動確認
基板の洗浄が終わったら次は端末を組立てていきました。そうしたら・・・電源が入るのを確認できました!データは破損前のままなので、これでデータの復旧成功ですね。
修理結果と注意点
ただし今回の端末は水没の影響で、SIMが機能しない状態になってました。Wi-Fiは使えそうだったんですが、SIMと電波関連の部分は修理できない箇所なので、別の端末への機種変更が必要です。とはいえ、スマホが起動するようになったのでデータの引き継ぎができるようになったのは良かったと思います。
水没修理についてのご案内
水没故障はダメージが広範囲に及ぶため、完全な復旧は難しい修理です。ですから、水没した端末の修理はデータ救出を目的とした修理になります。データが失われてもいいっていう場合は、機種変更や新しい端末への買い替えをお勧めします。
もしバックアップが出来てなくて、データを復活させたいという方がいたら水没修理を試すことができますので、その際はご連絡ください。