先日、行橋市からご来店いただいたお客様。iPad第6世代をお持ちで、「真ん中あたりのタッチがまったく反応しない」と困っておられました。液晶の表示は問題ないけど、タッチだけ効かない。実はこの症状、当店では月に2~3件お預かりするよくあるケースです。お客様は「他の店で断られた」ともおっしゃっていて、ちょっと切実な様子でした。
さっそく診断に入ります。iPadの画面は表面のガラス(デジタイザ)とその下の液晶でパーツが分かれていて、タッチのセンサーはガラス側に内蔵されています。今回のように表示は無事でタッチだけダメな場合、デジタイザの断線が疑われます。無印iPadシリーズはこの2つが別々なので、ガラスだけ交換できて修理代が抑えられるのが利点。一方、iPad AirやProは一体型で、まとめて交換になります。当店の経験上、無印iPadのガラス割れ修理は他機種よりお得です。今回はデジタイザ単体の交換で対応できると判断しました。
さて、作業開始です。
まずは割れたガラスを持ち上げますが、液晶も一旦外さないと配線にアクセスできません。両方のリボンケーブルが液晶の下を通っているためです。
温めて接着剤を柔らかくし、開口部から丁寧にガラスを剥がしていきます。割れているので慎重に。ここで力を入れすぎると液晶まで割ってしまうので、経験がものを言うところです。外したら、ホームボタンがガラスに固定されているので取り外して移植します。iPadのホームボタンは物理的に沈み込むタイプで、機種によって裏側の構造が微妙に違うんですよね。今回の第6世代は比較的シンプルでしたが、古い機種だと接着剤の残り方に癖があったり。リボンケーブルを剥がすときはピンセットでそっと。断線させないよう細心の注意を払います。
新しいデジタイザを位置合わせして接着、液晶を戻し、ホームボタンも移植完了。最後にタッチの動作確認をします。全領域で反応OK。お客様には「約40分でお引渡しできました」と報告すると、とても喜んでいただけました。「もっと時間がかかると思ってた」と。その日は他にもiPhoneのバッテリー交換が2件重なっていて、少しバタバタしましたが、無事完了です。
ちなみに、物理的に沈まないホームボタンといえばiPhone 7以降。あれは振動で押した感覚を再現しているので、電源オフだと全く反応しません。よくお客様から「ボタンが壊れた?」と相談されますが、大抵は設定の問題です。
店主からの一言──今回の修理を振り返って、やはりiPadのデジタイザ交換は無印シリーズならではのやりやすさがあります。後日、お客様から「タッチが新品みたいになった」とメールでご連絡いただきました。当店では交換した部品に対して修理保証規約に基づき3ヶ月の動作保証(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外)をお付けしています。同じ症状でお困りの方は、同機種の他症状の修理事例もご参照ください。また、修理ブログ一覧で他機種の事例も紹介しています。郵送修理も承っておりますので、同じ症状の他事例とあわせてお問い合わせフォームよりご連絡ください。
よくある質問
iPadのタッチが一部効かないのですが、修理できますか?
はい、多くの場合修理可能です。無印iPadシリーズはデジタイザ(ガラス)と液晶が分離しているため、ガラス交換のみで対応できるケースがあります。まずはお問い合わせフォームよりご相談ください。
修理時間はどのくらいかかりますか?
機種や症状によりますが、デジタイザ交換の場合、約30~40分が目安です。ただし、在庫状況や混雑具合によって前後することがあります。
データは消えますか?
ほとんどの修理でデータは保持したまま対応可能です。ただし、基板修理や水没などの重度故障は事前バックアップを推奨します。
保証はありますか?
交換した部品に対して3ヶ月の動作保証をお付けしています(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外)。詳細は保証規約ページをご確認ください。