iPad 4 screen-crack 修理事例

取材にあたって

当店ではここ数年、5 年以上同じ iPad を使い続けているお客様の修理依頼が、月に 3-4 件のペースで届きます。先日も、初代 iPad Air より前のモデルである iPad 4 を持ち込まれた方がいらっしゃいました。お話を伺うと、購入から 11 年間ずっと現役だというのです。

その方は大阪市天王寺区にお住まいの 70 代男性。退職された元中学校の校長先生で、ご自身の趣味である書道と、お孫さんとの日常記録のために iPad を毎日触っていらっしゃるとのこと。お会計を済ませた後、少しお時間をいただき、長く一台のタブレットと付き合うとはどういうことか、じっくりと伺いました。

受訪者プロフィール

S 様 / 70 代男性 / 大阪市天王寺区在住 / 元・公立中学校 校長(2019 年に退職) / 書道歴 50 年以上、地元の書道会で講師も務める / ご使用機種: iPad 4 (Wi-Fi モデル、2013 年購入) / 今回の修理: 画面ガラス割れの交換

店主が伺う、11 年の物語

Q. S さん、まず単刀直入に伺いたいのですが、70 歳近くになって iPad を使い始められたきっかけは何だったのでしょうか。

退職する 2 年ほど前ですかね。当時の教頭先生が、職員会議で iPad を持ち込んで議事録を取っていまして、それを横で見ていたわけです。紙でメモしていた私からすると、写真もすぐ撮れる、字も大きくできる、これは便利だと。それで娘に頼んで一緒に量販店へ行ってもらいました。当時の店員さんが「これが新しく出た iPad 4 です」と勧めてくれたものを、そのまま購入したという、それだけのきっかけでした。

Q. 11 年というと、なかなかの長さです。同じ機種を使い続けていらっしゃる理由を、ご自身ではどう捉えていますか。

理由、というほど深く考えたことはないのですが、強いて言うなら「不便を感じない」からでしょうか。私の使い方ですと、写真を撮る、写真を見る、新聞を読む、家族にメッセージを送る — この四つだけでして。最新の機能が必要になる場面が、生活の中にほとんどないのです。校長時代の同僚にも「機種変更しないと危ないよ」と言われることがありますが、本人が困っていないのに買い替えるというのが、どうも性に合わなくて。物は使い切るというのが、私の世代の感覚かもしれません。

Q. 具体的な使い方を、もう少し詳しく聞かせてください。書道がご趣味と伺いました。

書道は中学生の頃からですから、もう 50 年以上になります。退職してからは時間ができたので、月に 20 枚ほど作品を書いていまして、書き上げたものは全部 iPad で写真に撮って残すのです。和紙に墨というのは、湿度や経年でどうしても変色していきます。10 年経つと別物になることもある。だから「書いたその瞬間」を画像で残しておきたい。書道会の生徒さんに見本として送るときも、紙で渡すと汚れますから、画像で送ります。私の iPad の写真フォルダには、もう 4,000 枚以上の作品写真が入っているはずです。

Q. 4,000 枚。それは膨大ですね。家族との写真共有もされているとのことでした。

娘夫婦が東京に住んでいまして、孫が 2 人います。上の子が小学校 3 年、下が幼稚園の年中。月に 1 回くらいの頻度で、向こうから写真が送られてきます。それを iPad で見るのが、家内と私の楽しみでして。私のほうも、近所で咲いている桜や、書道会の様子を撮って送り返すのです。テレビ電話というのですか、画面越しに孫と話すこともあります。あの小さな画面で孫の顔が見えるというのは、私の若い頃には考えられなかったことです。

Q. New York Times を購読されているそうですが、これは英語でお読みになっているのですか。

はい。校長時代から英語の新聞を読むのが日課でして、紙で取っていた時期もあるのですが、退職してから電子版に切り替えました。朝、コーヒーを淹れて、iPad を立てかけて、ゆっくり 1 時間ほど読みます。日本の新聞では取り上げられない国際ニュースが多くて、これが頭の体操にもなっているようです。文字も拡大できますから、老眼の私には紙より読みやすい面もありまして。

Q. では、今回の故障に至った経緯を伺ってもよろしいでしょうか。

2 週間前のことです。娘夫婦と孫が大阪に遊びに来ていまして、下の孫 — 5 歳の子ですが — が私の iPad で何かのアニメを観ていたのです。それで、夢中になってソファから降りようとした拍子に、フローリングの床に落としてしまいまして。「パキッ」という音がして、見たら画面の右下から放射状にひびが入っていました。タッチ自体は反応するのですが、ガラスの破片で指を切りそうで、これは使い続けられないなと。

Q. このタイミングで「いっそ新しい iPad に買い替えよう」とは思われなかったのでしょうか。

正直に言うと、家内には「もう新しいのを買ったら」と言われました。娘からも同じことを言われました。でも、先ほど申し上げた 4,000 枚の作品写真や、孫との思い出の写真、それから 10 年分のメモやスケジュールが、この iPad に詰まっているわけです。新しい機種に移行するというのは、データだけの問題ではなくて、慣れたボタンの位置や、操作の感覚をまた一から覚え直すということでもあります。70 を過ぎますと、新しいことを覚えるのは正直しんどい。だから「直せるなら直したい」と、その一心でした。

Q. 修理店をどうやって探されましたか。

娘がインターネットで調べてくれまして、いくつか候補を出してくれた中の一つが、こちらのお店でした。決め手は二つあります。一つは、古い iPad 4 でも対応してくれるかどうかを電話ではなくメールで問い合わせたところ、当日のうちに丁寧な返信があったこと。もう一つは、松屋町という場所が、私の家から地下鉄で乗り換えなしで行けたこと。70 代になりますと、乗り換えが多い場所は億劫でして。同じく古い iPhone や iPad の画面割れを直された他のお客様の事例もサイトに載っていまして、これなら安心して任せられそうだなと感じました。

Q. 持ち込まれる前に、データの心配はされましたか。

正直、一番気がかりだったのはそこです。書道の写真と孫の写真、そして 10 年分のメモ。これが消えたらもう取り返しがつかないと。事前のメールで「画面交換であればデータはそのまま残るのが一般的」とご説明いただきまして、それでも一応、娘に手伝ってもらってパソコンに写真だけはバックアップを取りました。お預かりの当日に、お店の方が「もしものために、お客様ご自身でもバックアップを取られておくと心強いですよ」とおっしゃっていて、その姿勢が逆に信頼できると感じたのを覚えています。iPad の画面割れ修理の流れも、来店時に一通り説明してくださいました。

Q. 修理時間や営業時間について、ご感想はいかがでしたか。

10 時の開店と同時に伺ったのですが、その日は他のお客様が少なかったようで、お預かりから 1 時間半ほどで「終わりましたよ」とお電話 — いえ、メールでご連絡をいただきました。19 時まで開いているというのは、私のような年寄りには関係ないかと思っていましたが、夕方になって受け取りに伺ったとき、若い会社員風の方がちょうどお仕事帰りに立ち寄っていらしたのを見まして、なるほど幅広い時間帯で営業されているのだなと。水曜が定休というのも、サイトに大きく書いてあったので、間違えずに済みました。

Q. 修理後、実際に使ってみてのご感想を伺えますか。

受け取った瞬間に、画面が新品のときみたいに澄んで見えまして、思わず「おお」と声が出ました。11 年使っていると、ガラスに細かい傷も入っていたのですが、それも全部きれいになっていて。データも、写真もメモも全部そのまま残っていました。その日のうちに、孫からのメッセージに返信を打ちまして、書道の新作も撮影しました。ひびが入っていた間は、画面を見るたびに気が滅入っていたのですが、今はまた前と同じ気持ちで触れます。これがあと何年もつかは分かりませんが、もう少しこの iPad と一緒にいられそうです。

Q. 最後に、同じ世代 — 60 代、70 代の方で、古い iPad や iPhone を使い続けていらっしゃる方へのアドバイスをいただけますか。

アドバイスというほど偉そうなものではないのですが、「使い慣れた機械を直して使い続ける」という選択肢を、もっと多くの方に知ってほしいなと思います。家電量販店に行くと「もう古いから買い替え」と言われがちですが、画面が割れただけ、バッテリーが弱っただけ、というのは、修理で直る範囲のお話です。新しい機種に乗り換えると、操作を覚え直さないといけない。これは私たちの世代にとっては、けっこう大きな負担なのです。慣れたものを長く使う、これは決して時代遅れではなく、暮らしを大切にすることだと思います。今回お世話になった大阪・松屋町のスマエキのように、古い機種でも親身に相談に乗ってくれるお店を一つ知っておくと、心強いものです。他のお客様の修理事例を読むと、自分の機種でも直せるかもしれないと、希望が持てると思います。

取材を終えて — 店主から

S 様にお話を伺っていて、印象的だったのは「物は使い切る」という言葉でした。当店では 2019 年の開業以来、iPhone・iPad を中心に多くの修理を承ってきましたが、ご来店されるお客様のおよそ 2 割は、購入から 5 年以上経過した端末をお持ちです。買い替えではなく修理を選ぶ理由は、データの問題、操作への慣れ、思い入れ、そして「使えるものを捨てるのが忍びない」という感覚 — 人によって様々ですが、共通しているのは、その端末との「時間」を大切にしているということです。

iPad 4 のような古いモデルでも、画面割れであれば部品を取り寄せたうえで対応できるケースがあります。お預かり時間は機種・症状によって異なり、画面交換であれば 1〜2 時間が一つの目安となります(在庫・混雑状況により前後します)。分解前のお見積もりは無料、お見積もり提示後のキャンセルも可能です(分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)。お電話ではなく、まずはお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。詳しい画面修理の料金目安も、機種をお伝えいただければご案内いたします。営業時間は 10:00〜19:00、水曜定休。大阪市中央区松屋町住吉でお待ちしております。

よくある質問

iPad 4 のような古い機種でも画面修理は対応していますか?

iPad 4 (2013 年発売) のような古いモデルも、画面交換用の部品が入手できれば対応可能です。機種によっては部品の取り寄せに数日いただく場合があります。お問い合わせフォームから機種名をお知らせください。

画面修理でデータは消えますか?

画面交換のみの修理であれば、ほとんどのケースでデータを保持したまま対応可能です。ただし基板の損傷を伴う重度の故障や水没修理の場合はデータに影響が出ることがあります。事前のバックアップをおすすめしています。

修理にかかる時間はどのくらいですか?

iPad の画面交換は 1〜2 時間が一つの目安です(在庫・混雑状況により前後します)。古い機種で部品取り寄せが必要な場合は、後日のお預かりとなることもあります。

高齢の家族の代わりに修理を依頼することはできますか?

ご家族による持ち込み・受け取りも対応可能です。事前にお問い合わせフォームから症状をお知らせいただくと、ご来店時のやり取りがスムーズになります。郵送修理にも対応しております。

営業時間と定休日を教えてください。

営業時間は 10:00〜19:00、水曜が定休日です。大阪市中央区松屋町住吉 6-26 で営業しております。