先日、当店に大阪市西区にお住まいの 30 代の女性のお客様がご来店されました。普段はお子さまの送り迎えと家事に追われている主婦の方で、iPhone 13 のアウトカメラが急に動かなくなってしまったとのこと。「来週子どもの七五三なのに、写真が一枚も撮れなくて…」と、少し焦った様子でいらっしゃいました。

うちでは月に 3〜4 件ほど、iPhone 13 シリーズのカメラ関連のご相談をいただいています。今回はその中でも比較的わかりやすい事例でしたので、診断から完成までの流れをご紹介させていただきます。同じカメラ症状の他事例もブログにまとめておりますので、よろしければあわせてご覧ください。

ご来店時のお悩み — 「カメラアプリが真っ黒のまま」

お客様にお話を伺うと、症状はこんな感じでした。

カメラアプリを起動すると、画面が真っ黒のまま。シャッターボタンを押しても反応せず、たまに「カメラを使用できません」というエラーが表示される。インカメラ(自撮り側)は問題なく使えているけれど、メインのアウトカメラだけが沈黙してしまっている状態です。

「落としたりはしていないんです。気づいたら急に…」とのことでしたが、よくよく伺うと、ご購入から 2 年半ほど経過していて、カバンの中で他の荷物にぶつかったり、ベビーカーのポケットから一度滑り落ちたりということは何度かあったそう。経験上、こういう小さな衝撃の積み重ねでカメラユニット内部のフレキシブルケーブルや手ブレ補正用の部品にダメージが入ることは、決して珍しくありません。

iOS の再起動、設定リセット、アプリ削除&再インストール — お客様自身でできる範囲のことは一通り試されたとのこと。それでも改善しなかったので、当店にご相談いただいた、という流れでした。修理ブログ一覧には他機種での類似ケースも載せていますので、ご自身の機種が近ければ参考になるかと思います。

診断 — ソフトかハードか、まずはここから

当店ではカメラ系のご相談をいただいた際、いきなり分解には入りません。まずソフトウェア側に原因がないかを切り分けるところからスタートします。

具体的には、セーフモード相当の起動確認、別のカメラ系アプリ(LINE のカメラや純正の FaceTime)での挙動チェック、ストレージ容量の確認といったあたりです。今回のお客様の端末は、どのアプリから呼び出してもアウトカメラだけが反応しない状態でした。インカメラは正常。これだけ条件が揃うと、ハード側 — つまりアウトカメラユニット本体の故障である可能性がかなり高くなります。

続いて専用テスターで端末の通電状態を確認。バッテリー、画面、Face ID、各種センサー類は問題なし。iPhone 13 のアウトカメラは広角と超広角の 2 眼構成で、片方ずつテストしたところ、両眼とも応答がない状態でした。基板側のカメラコネクタの接点も目視で確認しましたが、腐食や変色は見当たらず、きれいな状態を保っていました。

ここまでの診断結果から、お客様にはこのようにお伝えしました。

「アウトカメラユニット自体の物理的な故障で、交換すれば復旧する見込みが高いです。ただ、ごくまれに基板側のカメラ駆動回路が損傷しているケースもあって、その場合は交換しても症状が残ります。実際に部品を交換してみないと最終判断ができない、というのが正直なところです」。分解前のお見積もりは無料、お見積もり提示後のキャンセルも可能(分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)とご案内したうえで、ご了承いただき作業に入りました。

修理工程 — 交換とテストの繰り返し

iPhone 13 のアウトカメラ交換は、画面側からのアプローチになります。専用ヒーターで本体を温めて防水パッキンを柔らかくし、画面パネルをそっと持ち上げる作業からスタート。Face ID のフレキケーブルを傷つけないよう、ピンセットの当て方は特に気を遣う部分です。

本体を開いたら、内部のシールドプレートを外し、基板を保護した状態でカメラユニットを固定しているネジを順番に取り外していきます。私たちはネジを台紙に並べて管理する方式で、戻すときに違う長さを違う場所に締めてしまわないよう、徹底しています。長さを間違えるとロジックボードに穴を開けてしまう事故につながるためです。

カメラユニットを取り外し、新しい純正同等品の部品を装着。接点を一度乾拭きしてから装着するのが当店のやり方で、これで初期不良の発生率が体感的にだいぶ下がりました。仮組みの状態でカメラアプリを起動し、広角・超広角ともに像が出ること、AF(オートフォーカス)が動くこと、フラッシュが点灯することを順番に確認していきます。今回は一発で全機能が復旧。お客様にも作業途中で動作確認の様子をお見せして、ご納得いただいたうえで本組み立てに入りました。

本組み立て後、防水パッキンを新しいものに交換して画面を圧着。最後に外観チェックと、念のため再起動を 2 回かけて挙動が安定していることを確認しました。お預かりからお引渡しまで、診断時間込みで 50 分ほど。修理料金の目安は機種・症状によって異なりますので、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

iPhone 13 camera 修理事例

完成後 — 七五三に間に合いました

お引渡しの際、お客様にその場でカメラを起動して試し撮りをしていただきました。「あっ、ちゃんと写る!」とほっとした表情を見せてくださって、こちらまで嬉しくなる瞬間でした。

当店では、交換した部品に対して 3 ヶ月の動作保証をお付けしています(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページをご覧ください)。今回のように「次のイベントまでに何とかしたい」というご相談、決して珍しくありません。月に何件もいただきます。早めにご相談いただけると、部品在庫の確認や代替案のご提案もできますので、調子がおかしいなと感じた段階でお声がけいただくのが結果的にスムーズです。

当店は 大阪・松屋町スマエキ として 2019 年から地域のお客様の修理を承っております。営業は 10:00〜19:00、水曜定休。来店修理に加えて、遠方の方には配送修理も対応しております。iPad の修理事例については iPad画面割れ修理の流れのページにまとめてございます。

「子どもの成長を残したい」というお気持ちに、私たちも丁寧にお応えしたいと思っています。カメラに違和感を感じたら、まずはご相談からどうぞ。

よくある質問

iPhone 13 のアウトカメラだけが動かない場合、画面交換も必要ですか?

多くのケースではアウトカメラユニットのみの交換で復旧します。ただし開封時に画面側の防水パッキンが劣化している場合や、画面に既存のひび割れがあれば、あわせて交換をご提案することもあります。診断時にご状況をお伝えします。

落とした記憶がなくてもカメラは壊れますか?

経験上、ご来店いただくお客様の中には「特に落としていない」とおっしゃる方も少なくありません。カバンの中での圧迫やわずかな衝撃の蓄積、温度差による内部ストレスなどで、カメラユニット内のフレキケーブルが劣化して接続不良に至るケースがあります。

修理にはどのくらい時間がかかりますか?

iPhone 13 のアウトカメラ交換は、混雑状況や部品在庫にもよりますが、診断含めて 1 時間前後が目安です。当日返却となるケースもありますが、症状や在庫状況によりお時間を頂戴することもございます。

データはそのままにしてもらえますか?

ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能です。ただし基板修理や水没など重度の故障については、事前のバックアップを推奨しております。カメラユニット交換のみであれば、通常データへの影響はありません。

予約は必要ですか?

ご予約なしでもご来店いただけますが、部品在庫の確保のため、事前にお問い合わせフォームよりご連絡いただけますとスムーズです。営業は 10:00〜19:00、水曜定休となります。