見守り中の事故、当店にご来店までの経緯
先日の昼下がり、当店のドアを開けて入ってこられたのは、60 代の男性のお客様でした。手にしていらしたのは、画面全体に蜘蛛の巣のようなヒビが広がった iPhone 7。お話を伺うと、退職後に始められた小学校近くの見守り業務の最中、子どもたちに手を振った拍子に胸ポケットから滑り落ちてしまったとのこと。アスファルトに角から着地したようで、表面のガラスは細かく砕け、一部にはガラス片が浮き上がる箇所まで見受けられました。
「警備員を 30 年以上やってきて、自分の不注意で物を落としたのは久しぶりや」と苦笑いされる姿が印象的でした。浪速区のご自宅から地下鉄で松屋町まで来てくださり、当店の存在は近所の方からの紹介だったそうです。2019 年の創業以来、口コミでお越しくださるお客様は本当にありがたい存在となっております。
iPhone 7 は 2016 年発売の機種で、すでに発売から 9 年以上経過しています。お客様は「もう古い機種やから無理かもしれんけど」と心配されていましたが、当店では旧機種の部品在庫もある程度確保しており、月に 3〜4 件は iPhone 7 や 8 系の修理依頼を受けております。実はこの世代の端末をまだ現役で使われている方は決して少なくありません。
診断で見えた「ガラスだけじゃない」状況
カウンターでお預かりし、まずは外観チェックから始めます。割れの範囲は画面のほぼ全面、特に右上から左下にかけて深いヒビが走っており、上部スピーカー付近のガラスは完全に分離している状態でした。タッチパネルは中央付近こそ反応するものの、左端と上部はほぼ無反応。これは表面ガラスだけでなく、その下のデジタイザ層まで損傷が及んでいる典型的な症状でした。
続いて液晶側を確認します。ホームボタンを押して画面を点灯させると、表示自体は出ているものの、左下に直径 3 センチほどの黒いシミ状の漏れが広がっていました。これは液晶パネル内部の液漏れで、放置すると黒い領域が日に日に広がっていくケースが多いです。お客様に「ガラスだけの交換では済まなくて、液晶も含めたフロントパネル一式の交換が必要になります」とお伝えしました。
ホームボタンの動作も確認しました。iPhone 7 は Touch ID(指紋認証)がホームボタンに搭載されており、純正基板とのペアリングがされた特殊な部品となります。社外品に交換するとクリック動作はしても指紋認証は使えなくなるため、当店では基本的に元のホームボタンを慎重に取り外して新パネルへ移植する手順を取っております。お客様にもその点を事前にご説明し、ご理解いただきました。同じ症状の他事例もブログでまとめておりますので、参考になさってください。
分解前のお見積もりは無料で、ご提示後のキャンセルも承っております(分解診断や部品発注後は所定の手数料が発生する場合あり)。料金は機種・症状によって異なりますので、詳しくは修理料金の目安のページをご覧ください。お客様は「ここまで丁寧に説明してくれるんやったら任せるわ」とその場で修理をご決断くださいました。
修理工程、ホームボタン移植が肝
作業台に移し、まずは本体下部の星形ネジ 2 本を外すところから始めます。iPhone 7 は防水パッキンが画面と本体フレームの間に挟まっているため、専用のヒートマットで縁を温めて粘着を緩める必要があります。約 5 分ほど温めてから、サクションカップで画面を持ち上げ、薄いピックを差し込んでパッキンを切り離していきました。
画面が開いたら、まずバッテリーコネクタを外して通電を遮断します。続いてフロントパネル側に繋がる 3 本のフレキケーブル(液晶・デジタイザ・フロントカメラ/イヤースピーカー)のコネクタを順に外し、画面ユニットを本体から完全に分離。ここまでで約 15 分の作業となりました。
取り外した旧パネルから、ホームボタンを移植する工程に入ります。ホームボタン裏側のフレキは非常に薄く、無理に剥がすと断線してしまうため、ヒートピンセットでわずかに温めながら、専用ヘラで少しずつ起こしていきます。この日はおよそ 8 分ほどかけて慎重に外しました。新しいパネルへ移植する際は、フレキの折り曲げ角度を元通りに復元し、防塵メッシュも純正側から流用します。

続いて液晶背面のシールドプレート、フロントカメラ・近接センサーユニットなども順次新パネルへ移し替えていきます。iPhone 7 はこの部品点数が多く、慣れない方が DIY で挑戦されると小さなネジを紛失したり、フレキを破損させたりすることが多い機種でもあります。インターネットで購入された部品でご自身で修理を試みた結果、当店に持ち込まれるケースも少なくありません。
移植が終わったら新パネルを本体に仮置きし、3 本のコネクタを接続。バッテリーをつなげて通電し、表示・タッチ・指紋認証・カメラ・通話用スピーカーの 5 項目を確認しました。すべて正常に動作することを確認した後、防水パッキンを新品に張り替え、星形ネジで本体を閉じて完成です。お預かり時間は目安として 60 分前後ですが、当日の混雑や在庫状況により前後する場合があります。
復旧後、お客様の表情
動作確認をすべて終えてカウンターにお戻しすると、お客様はしばらく画面を眺めて「これ、買うた時よりキレイちゃうか」と笑顔を見せてくださいました。続けて指紋認証で画面ロックを解除し、お孫さんからのメッセージアプリを開いて「これが見られへんのが一番困ってたんや」と安堵の表情を浮かべていらっしゃいました。
iPhone 7 のように発売から年数が経った端末でも、画面さえ復旧すれば日常使用に問題ないケースはとても多いです。新しい機種への買い替えを検討される前に、まずは修理という選択肢を考えていただきたいと当店では常々思っております。多くのケースでデータを保持したまま対応可能で(基板修理や水没など重度故障の場合は事前バックアップを推奨します)、連絡先や写真もそのまま戻ります。
交換した部品に対しては 3 ヶ月の動作保証をお付けしております(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページ)。お客様には「次は胸ポケットやなくて、ちゃんとしたケースに入れときます」と帰り際にお話しいただきました。修理後は技術基準適合確認のうえ、お引渡しさせていただいております。
当店は大阪・松屋町スマエキとして 10:00〜19:00(水曜定休)で営業しております。来店修理だけでなく郵送でのご依頼も承っており、遠方の方や来店が難しい方からのご相談も増えてきました。iPad画面割れ修理の流れと基本的な工程は共通する部分が多く、初めての方でも流れを把握しやすいかと存じます。修理事例を集めた修理ブログ一覧もぜひご覧ください。お問い合わせはフォームよりお気軽にどうぞ。
よくある質問
iPhone 7 のような古い機種でも画面修理は可能ですか?
当店では iPhone 7 の交換用パネルを在庫しており、月に 3〜4 件ほど対応実績があります。発売から年数の経った機種でも、部品が確保できる限り承っております。在庫状況はお問い合わせフォームよりご確認ください。
ホームボタンの指紋認証は修理後も使えますか?
当店では元のホームボタンを新パネルへ移植する手順を取っており、多くのケースで Touch ID 機能を引き継いだまま復旧できます。ただしホームボタン自体が損傷している場合は指紋認証が使えなくなる場合があります。
画面割れを放置するとどうなりますか?
ガラスのヒビから手を切る危険のほか、隙間から水分やホコリが侵入して液晶パネル内部の液漏れや基板腐食を引き起こす場合があります。実際にご来店時には液晶に黒いシミが広がっているケースも経験上多く見られます。早めのご相談をおすすめいたします。
修理中にデータは消えますか?
画面交換のような外装修理であれば、ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能です。ただし基板修理や水没など重度故障の場合は事前バックアップを推奨しております。
来店できない場合は郵送修理も可能ですか?
はい、配送修理にも対応しております。遠方からのご依頼や来店が難しい方からのご相談も承っており、流れの詳細はお問い合わせフォームよりご案内させていただいております。