先日、当店に淀川区で三代続く餃子屋を営まれている三十路の店主様がご来店されました。仕込みの真っ最中、ポケットに入れていた iPhone 13 が滑り落ち、運悪く餃子焼器の鉄の角に直撃。拾い上げたときには画面が網目状に割れ、表示も真っ黒だったとのことでした。「店の予約管理も全部このスマホでやってまして…」と、肩を落としながら松屋町までお越しくださいました。月に数件、こうした厨房での落下事故のご相談をお受けしています。

淀川区から松屋町へ — ご来店時のご様子と最初のヒアリング
到着されたのは平日の午後三時すぎ、ちょうどランチの片付けが落ち着いた時間帯でした。エプロン姿のまま自転車を走らせてこられたそうで、息を切らしながらカウンターに iPhone 13 を置かれました。画面ガラスは右上から放射状にヒビが広がり、上半分は完全に表示が消失。下半分はうっすらと色が見えるものの、タッチ操作は全く効かない状態でした。
「お祖父さんの代から続く店で、常連さんの予約も LINE と店のアプリで管理してまして。データだけは残してほしいんです」とのお話。当店ではほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能ですが、念のため「基板側に衝撃が及んでいた場合は事前バックアップを推奨させていただくこともあります」とご説明し、まずは無料の分解前診断にお進みいただきました。同じ症状の他事例でも、厨房や工場といった硬い金属面のある現場での落下は、フレームの歪みを伴うケースが少なくありません。
診断結果 — 表面ガラスだけでなく液晶層まで損傷
外観を確認したところ、本体フレーム左下にも軽い擦り傷がありました。鉄の角に当たった衝撃が一点に集中したのか、フレーム自体の歪みは目立たず、これは幸いでした。続いて専用のドライバーで底面のペンタローブネジを外し、慎重に画面を持ち上げていきます。
診断台のライトを当てて分解してみると、表面の強化ガラスだけでなく、その下の有機 EL 層まで衝撃が貫通していました。タッチパネルのフレキも一部に変色が見られ、これでは指で触っても反応しないわけです。一方で本体側のメイン基板、Face ID 配線、バッテリー、フロントカメラ、近接センサーなどに損傷は確認できず、内部は無事でした。お客様には「画面ユニットの交換で表示・タッチともに復旧する見込みです、データもそのまま残ります」とお伝えし、ご納得いただいたうえで作業へ進みました。当店の修理料金の目安はお問い合わせフォームよりお気軽にお尋ねください。
修理工程 — Face ID と防水パッキンを丁寧に移植
iPhone 13 の画面交換で一番気を使うのが、Face ID に関わる赤外線投光器とドットプロジェクタのフレキです。ここを傷めると顔認証が使えなくなり、Apple のサーバー側でペアリングされている部品なので後から復旧するのは困難。三代目様にとって毎日の予約確認に Face ID は欠かせないとのことでしたので、ピンセット作業は一段とゆっくり、息を止めるくらいの気持ちで進めました。
古い画面ユニットからイヤースピーカー、近接センサー、Face ID フレキを外し、新しい画面ユニットへ移植。フレキの折り癖を整え、コネクタを順番に差し込み、ネジ位置を間違えないよう色分けされた作業マットの所定の位置へ並べていきます。当店では 2019 年の創業以来この手順を守っており、経験上 iPhone 13 シリーズの画面交換は一台あたり一時間ほど。今回も慎重に進めて約一時間で組み付けが完了しました。
最後に防水パッキン (粘着シール) を貼り直して密閉性を回復させ、画面とフレームを圧着。三代目様には「水しぶきの多い厨房環境ですので、パッキンは新品に張り替えておきますね」とお伝えし、作業内容をその場でご説明しました。当店の大阪・松屋町スマエキでは、こうした作業の透明性を心がけています。
完成後の動作確認とお引渡し — 三代目様の安堵した笑顔
組み立てが終わったら、いきなりお返しせず必ず動作確認を行います。今回は表示の左右ムラがないか、タッチの端まで反応するか、Face ID の登録解除と再登録、True Tone、3D Touch 相当の触覚フィードバック、近接センサーによる通話中の画面消灯、ステレオ音声の左右バランス — これらを順番にチェック。すべて新品時と同じ挙動でした。
「あ、これこれ、いつもの感じです」とお預け時から表情が一変、ホッとされた笑顔をされていたのが印象的でした。修理後は技術基準適合確認のうえお引渡しいたしますので、その点もカウンターでご説明。交換した画面ユニットには三ヶ月の動作保証 (落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページ) をお付けし、保証書をお渡ししてお会計を済ませていただきました。
「うちは座って iPhone を触る暇なんてなくて、ポケットからの落下が多いんです。次からは厨房用のシリコンケースを足そうかな」とのこと。確かに飲食店厨房は床も金属設備も硬く、落下時のダメージが大きい環境。当店からも「胸ポケットよりエプロンの腿ポケットのほうが落下時の衝撃が小さい場合もあります」と一言だけお伝えし、お見送りしました。来店修理だけでなく配送修理 (郵送依頼) も承っておりますので、お忙しい自営業の方にはiPad画面割れ修理の流れもあわせてご参考になれば。同様の事例は修理ブログ一覧にも蓄積しています。
後日談になりますが、修理から十日ほど経った頃、三代目様からお礼のメールをいただきました。「あの日以来、エプロンの内ポケットを縫い直しました。お店の常連さんにも『松屋町のスマエキさん、ええよ』と言うてあります。ほんま助かりました、おおきに」と関西弁混じりの一文でした。長く使ってきた仕事道具を救えたと思うと、こちらも嬉しくなる修理でした。三代続く餃子屋さんの仕込みを支えてきたこの一台、これからもまだまだ現役で活躍してくれるはずです。
よくある質問
厨房や工場で落として画面が割れた iPhone でも、データを残して修理してもらえますか?
ほとんどのケースでデータを保持したまま画面交換が可能です。ただし基板側にまで衝撃が及んでいる場合は、事前バックアップを推奨させていただくことがあります。当店の分解前診断は無料ですので、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
iPhone 13 の画面交換で Face ID は使えなくなりませんか?
Face ID に関わるフレキは元の画面ユニットから新しい画面へ移植するため、当店の作業では多くの場合そのまま使用可能です。経験上、ピンセット作業を慎重に行うことで損傷リスクを抑えられます。お預かり時間は機種・症状によって異なります。
お預けからお返しまでどれくらい時間がかかりますか?
iPhone 13 の画面交換は経験上、組み付けと動作確認を含めて一台あたり一時間ほどが目安です。在庫・混雑状況により前後しますので、機種・症状によっては当日返却可能なケースもあります。
保証はついていますか?
交換した部品に対して三ヶ月の動作保証をお付けしています。落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページをご確認ください。修理後は技術基準適合確認のうえお引渡しいたします。
遠方からでも修理を依頼できますか?
来店修理だけでなく配送修理 (郵送依頼) も承っております。お見積もり提示後のキャンセルも可能です (分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)。お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。