営業職のお客様が iPhone 8 を握りしめて来店された日

先日の昼下がり、当店のドアを慌ただしく開けて入ってこられたのは、外回り中の営業職の男性でした。手にされていたのは、画面の右下から放射状に大きくヒビが入った iPhone 8。お話を伺うと、商談先のビルから出た瞬間、コートのポケットからアスファルトに落としてしまったとのこと。

「これまで数年使っていて一度もケースをつけたことがなかったんです。iPhone 8 は前のモデルよりガラスが強くなったと聞いていたので、つい油断していました」と、苦笑いされていました。

iPhone 8 screen-crack 修理事例

たしかに iPhone 8 の前面・背面ガラスは、Apple 公式のアナウンスでも「iPhone 7 比で 50% 深いカスタム強化層を採用」「アルミフレームでガラスを支える設計」と説明されています。前面と背面が両方ガラス張りという構造は、ワイヤレス充電に対応するための設計上の工夫でもありました。とはいえ、強化されたとはいってもガラスはガラス。腰の高さからアスファルトへの落下となれば、衝撃の入り方によっては今回のように放射状のヒビが走ってしまうものです。

当店では月に 6〜8 件ほど iPhone 8 系の画面割れをお預かりしている経験から、まずは深呼吸していただいて、症状を一緒に確認するところからスタートしました。

カウンターでお預かりして見えてきた、見た目以上の損傷

カウンターに置いていただいた本体を、当店の作業マットの上で詳しく拝見します。割れの中心は液晶右下、画面の角ではなく中央寄りで、衝撃が一点に集中したことが推測できました。

このお客様の場合、目視で次の症状を確認しました。

  • 前面ガラス全体に放射状のヒビ(中心は右下)
  • 右下の角でガラスがわずかに浮き上がり、ガラス片が一部欠落
  • 液晶のドットムラ・縦線のにじみ(右半分)
  • タップ反応が鈍い領域あり(右下〜中央下)

この時点で、ガラスのみの交換ではなく、ガラス+液晶アッセンブリーごとの交換が必要な状態でした。タッチ反応が鈍くなっているということは、デジタイザー(タッチセンサー)層まで衝撃が届いている可能性が高いということです。

また、フレームをじっくり確認すると、右下の角がわずかにゆがんでおり、これも落下時の衝撃の方向と一致していました。フレームの歪みが大きいと新しい画面パネルが密着しないため、ここも丁寧にチェックしていきます。

「データはそのままで戻ってきますか?」というご質問もいただきました。ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能ですが、基板修理や水没など重度の故障の場合は事前のバックアップをおすすめしています。今回の症状であれば、内部基板への大きなダメージは見受けられなかったため、データを保持したまま画面パネルの交換で復旧できる見込みであることをお伝えしました。

分解前のお見積もりは無料、お見積もり提示後のキャンセルも可能ですので、その場でじっくりご検討いただきました(分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)。料金は機種・症状によって異なりますので、修理料金の目安のご案内ページをご覧いただき、ご納得のうえで作業に進ませていただきました。

30 分目安の作業、当店スタッフが見せた手の内

お客様にはイートインのカフェでお時間を潰していただくことにして、すぐに作業に取りかかります。お預かり時間はおおよそ 30 分目安(在庫・混雑により前後します)です。

まずは本体下部の星形ネジを外し、専用の吸盤と薄いピックを使ってガラスをそっと持ち上げます。iPhone 8 はディスプレイケーブルが短く、開いたままの状態で力を入れすぎると断線の危険があるため、当店スタッフはこの工程を特に丁寧に行うように徹底しています。

続いて内部のシールドプレートを外し、3 本のディスプレイケーブルとバッテリーケーブルを順番に切り離します。バッテリーケーブルから外すのは、作業中に通電してロジックボードがショートするのを避けるための鉄則。月に何件も同じ作業をしていても、私たちはこの順番を絶対に守るようにしています。

ここまできたら、古い画面パネルから次のパーツを移植していきます。

  1. イヤースピーカーと近接センサー一式
  2. フロントカメラブラケット
  3. ホームボタン(Touch ID 機能維持のため、純正のまま移植)
  4. 金属シールドプレート各種

iPhone 8 はホームボタンと本体基板がペアリングされているため、ホームボタンを新品と交換すると Touch ID が使えなくなります。今回も既存のホームボタンを慎重に取り外し、新しいパネルへきれいに移植しました。これは経験上、特に集中力を要する工程です。

移植が終わったら、新しいパネルを本体に仮接続して動作確認。電源を入れる前にディスプレイ・タッチ・True Tone(アッセンブリー仕様により挙動が異なる場合あり)を一通りテストします。問題なければシールを貼り直し、星形ネジを締め直して仕上げです。

「先日 iPad の画面修理をしたお客様にもお伝えしたのですが、機種によって作業の癖が違うんですよね」と話すと、よく驚かれます。iPad画面割れ修理の流れはまた別ページにまとめていますので、気になる方はあわせてご覧ください。

ピカピカに戻った iPhone 8 を受け取られたあとで

30 分ほどして戻られたお客様の前に、ピカピカの画面を取り戻した iPhone 8 を差し出した瞬間。「こんなにきれいになるんですね…!」と、明らかに表情が変わられました。

その場で一緒に確認したのは次の項目です。

  • 画面のヒビ・割れがすべて解消していること
  • タップ・スワイプ・長押しが画面全域で正常に反応すること
  • Touch ID が以前と同じように使えること
  • 音量ボタン・電源ボタン・スピーカー・通話・カメラの動作

すべての項目で問題なく、お客様にもその場でご確認いただきました。「これからはケースを必ずつけます」とおっしゃりながら、隣のスマホアクセサリーコーナーで早速手帳型ケースをお選びになっていたのが印象的でした。

交換した部品については 3 ヶ月の動作保証をお付けしています(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページ)。修理後は技術基準適合確認のうえお引渡しさせていただいています。

当店は 2019 年から大阪・松屋町で営業している大阪・松屋町スマエキです。営業時間は 10:00〜19:00、水曜定休。来店修理だけでなく郵送での配送修理にも対応しているので、平日にお時間が取れない方やお仕事帰りに梅田・難波・天王寺方面から来られる方にもご利用いただいております。

iPhone 8 の画面割れは、当店でも本当によくお預かりする症状のひとつ。同じ症状の他事例もブログに掲載しておりますので、気になる方は修理ブログ一覧からぜひ目を通してみてください。

「もしかして自分のもこれ?」と心当たりがあれば、まずはお問い合わせフォームから症状を教えてください。お見積もりは無料で、ご納得いただいてからの作業です。今日も松屋町のカウンターで、皆さまのスマホをお待ちしております。

よくある質問

iPhone 8 はガラスが強化されたと聞きましたが、それでも割れますか?

Apple の公式情報では iPhone 7 比で 50% 深いカスタム強化層を採用しているとされていますが、当店の実績ではアスファルトや段差への落下による前面ガラス破損は月に 6〜8 件ほどお預かりしています。強化されたとはいえガラスはガラスですので、ケースとフィルムの併用をおすすめしています。

画面割れ修理の際、データは消えますか?

ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能です。ただし、基板修理や水没など重度の故障の場合は事前バックアップを推奨しています。今回の落下による画面割れのように内部基板へのダメージが軽微なケースでは、データを保持したまま画面パネルの交換で復旧できる場合が多くあります。

iPhone 8 のホームボタンは新しいものに交換できますか?

iPhone 8 のホームボタンは本体基板とペアリングされているため、新品に交換すると Touch ID 機能が使えなくなります。当店では画面修理時に既存のホームボタンを慎重に取り外し、新しいパネルへ移植する方法で Touch ID を維持しています。

修理にはどれくらい時間がかかりますか?

iPhone 8 の画面交換であれば、お預かり時間はおおよそ 30 分目安となります(在庫・混雑により前後します)。機種・症状によっては当日返却可能なケースもありますので、まずはお問い合わせフォームよりご相談ください。

修理後の保証はありますか?

交換した部品に対して 3 ヶ月の動作保証をお付けしています(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページ)。修理後は技術基準適合確認のうえお引渡しさせていただいています。