2017 年発売の iPhone X は、Apple として初めてフルディスプレイ + Face ID を搭載した記念碑的なモデルでした。発売から年数が経った今でも、当店には月に 8-10 件ほど画面割れの修理依頼が舞い込みます。先日も、ポケットから取り出す際に床へ落として液晶半分が真っ黒になった、という方が松屋町のお店までご来店されました。画面交換そのものはおよそ 60 分目安で対応できる作業ですが、iPhone X では「画面を直したのに Face ID が使えない」というご相談が後を絶ちません。今回は、当店でよくいただく Face ID 関連の質問を Q&A 形式でまとめてみました。

修理後に Face ID が認証できない場合の原因は
原因はいくつかに分かれます。最も多いのは、画面交換時に上部のフレキシブルケーブルや、ノッチ部分に組み込まれた近接センサー・周囲光センサーの取り付けが甘いケースです。iPhone X は画面側に取り付けられた小さな部品を一つずつ移植する構造で、ここで配線の差し込みが浅いと Face ID が「TrueDepth カメラに問題があります」と表示されます。
もう一つは、純正以外の社外パネルを使用した場合に発生する相性問題でした。一部の互換液晶では赤外線投光器との通信で警告が出ることもあり、当店では入荷時の動作確認で弾くようにしています。同じ症状の他事例もあわせてご覧いただくと、原因の見極めがつきやすいかもしれません。
マスク着用での認識精度は修理後どう変化
iPhone X は iOS 15.4 以降、Apple Watch 連携でのマスク認証に対応しましたが、機種自体が「マスク着用時の Face ID」には正式対応していないモデルとなります。修理後にマスク認証の精度が下がったように感じる場合、実際には修理が原因ではなく、TrueDepth カメラ周辺の汚れや、登録時の顔データのズレが影響していることが多い印象です。
当店で画面交換をした後、お客様に「マスクをつけたまま試してみてください」とお願いすると、Apple Watch 連携であれば正常に動作するケースがほとんどでした。動作しない場合は、まず Apple Watch 側の Bluetooth 接続と「マスク着用時に iPhone のロックを解除」のスイッチを確認してみてください。
Face ID の登録解除と再登録のタイミングは
修理後に Face ID の挙動がいつもと違うと感じたら、まず「設定」→「Face ID とパスコード」→「Face ID をリセット」で一度登録データを消し、改めて登録し直すのが定石となります。再登録は静かな部屋・自然光のある場所で、顔と画面の距離を 25-50cm に保って行うとスムーズです。
当店でも修理引渡し前にこの作業を一緒に確認させていただくことが多く、月に 3-4 件はその場で再登録までフォローしています。経験上、修理直後にうまく登録できない場合でも、画面保護フィルムや手帳ケースを一旦外して試すと通ることが少なくありません。意外と見落とされがちですが、ノッチ部分にフィルムの粘着剤がはみ出していると、それだけで赤外線が遮られる場合もあるようです。
TrueDepth カメラの修理工程は
iPhone X の TrueDepth カメラユニットは、ノッチ部分に複数のセンサーがひとまとまりで搭載されている繊細な部品です。画面交換時には、旧パネルからこの TrueDepth 関連のフレキ・スピーカー・近接センサー・周囲光センサーを慎重に剥がし、新しいパネルへ移植する流れとなります。当店ではこの工程に 30 分目安をかけ、温度管理しながら粘着剤を剥がしていきます。
iPhone X の場合、TrueDepth カメラ単体が故障している場合は当店では基板修理レベルでの対応が必要となり、機種・症状によっては当日返却が難しいこともあります。iPad画面割れ修理の流れと基本工程は似ていますが、Face ID 機種は移植作業の比重が大きいのが特徴でした。
Face ID 失効後にパスコードのみ運用する不便は
Face ID が使えなくなった iPhone X をパスコードのみで運用される方は意外と多く、当店でも「Face ID は諦めてパスコードで使い続けたい」というご相談を月に 2-3 件いただきます。実用面では Apple Pay の決済時に毎回パスコードを入力する必要があり、コンビニのレジ前で少し手間取る場面が出てきます。
また、1Password や Bitwarden などのパスワード管理アプリも、Face ID 認証が無効化された端末では都度マスターパスコード入力となります。日常使いに支障が出ているなら、修理を検討する価値は十分にあると言えます。詳しくは修理ブログ一覧でも事例をご紹介しています。
Face ID 用フレキの故障判定方法は
当店での判定手順は、まず外観チェック → 簡易テスター接続 → 別パネルでの動作確認、の順となります。Face ID 用フレキ単体が故障しているのか、TrueDepth カメラ側が壊れているのかは、ユーザー側の症状だけでは分かりにくいものです。
分解前のお見積もりは無料で、お見積もり提示後のキャンセルも可能となります(分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)。当店では 2019 年から Face ID 関連の修理事例を蓄積してきており、症状を伺った段階で原因の見当をつけられるケースが多くなりました。修理料金の目安もあわせてご覧ください。
Apple ストアでの Face ID 修理との違いは
Apple 直営店では、iPhone X の Face ID 故障は基本的に本体交換扱いになることが多いと聞きます。これに対し、当店のような修理店では基板レベルでの部品交換にも対応するため、データを保持したまま修理できる可能性が高いのが特徴でした。ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能(基板修理・水没等の重度故障は事前バックアップ推奨)です。
大阪・松屋町の大阪・松屋町スマエキでは、来店修理に加えて遠方の方向けの配送修理にも対応しています。営業時間は 10:00〜19:00、定休日は水曜となります。修理後は技術基準適合確認のうえお引渡しいたしますので、お問い合わせフォームより機種と症状をお知らせください。
iPhone X の Face ID トラブルは、原因の切り分けさえ正しく行えば対応の道筋が見えてきます。「修理に出す前に判断材料がほしい」「他店で断られたが諦められない」といったご相談も歓迎です。お問い合わせフォームから、現在の症状と機種をお書き添えのうえご連絡くださいませ。
よくある質問
iPhone X の画面交換だけで Face ID は復活しますか
画面側の上部部品を慎重に移植すれば多くのケースで復活しますが、もとの落下衝撃で TrueDepth カメラ自体が損傷している場合は基板レベルでの追加修理が必要となります。分解前のお見積もりは無料です。
修理後に Face ID をすぐ再登録すべきですか
経験上、引渡し時に一度リセットして再登録される方が安定することが多い印象です。当店でも引渡し前にお客様と一緒に確認するケースが月に 3-4 件あります。
iPhone X はまだ修理する価値がありますか
2017 年発売モデルですが、最新 iOS にも長く対応してきた人気機種です。バッテリー劣化と画面割れが同時に起きていれば一括での対応もご相談いただけます。料金は機種・症状によって異なるため、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
互換パネルを使うと Face ID に影響はありますか
一部の社外液晶では警告表示が出ることもあるようです。当店では入荷段階で動作確認を行い、TrueDepth カメラと相性の良い部品のみを使用しております。
配送修理にも対応していますか
大阪・松屋町の店舗まで来店が難しい方向けに、配送での修理依頼も承っております。お問い合わせフォームより配送希望とご記入くださいませ。