本棚の上から滑り落ちた iPhone 8 — お客様のお悩み
「ポケットに入れていたつもりが、図鑑を抜き差しした拍子に本棚と本棚の隙間にスルッと落ちてしまって…」。来店されたのは平日の 14 時すぎ、お昼休みを利用してお越しくださった東淀川区在住の女性でした。職場は同区内の図書館、勤続 8 年目の司書さんです。

持ち込まれた iPhone 8 は、画面右上から左下に向かって斜めに大きなヒビが走り、さらに右下端には蜘蛛の巣状の細かい破片が広がっていた状態。タッチは右下のみ反応が鈍く、ホームボタンの周辺を押しても反応しないことがある、とのことでした。
「仕事柄、利用者カードのバーコードを読み取るアプリと、貸出記録の写真を撮るのに毎日触ります。連絡先と写真は何としても残したい」というのが一番のご要望でした。同じ症状の他事例でも、データを残したいというお声は多くいただきます。当店では月に 30 件前後、画面割れのご相談を受けますが、その 8 割以上が「データを保持したまま」のご希望です。
分解前の診断 — 落下衝撃の見立て
まずはお預かり前に、外観から確認していきました。背面ガラス、フレームの歪み、カメラレンズの状態。今回は背面とフレームに目立った損傷はなく、衝撃は液晶面に集中していたようです。本棚の隙間から床(おそらくフローリング)へ角度をつけて落下したのではないか、と推測しました。
続いてバッテリー残量と充電の入り、Lightning コネクタの接続感、スピーカーの音、サイドボタン、Touch ID のクリック感、ジャイロ、近接センサー — このあたりは画面交換後に問題が再発しないかを判断するうえで欠かせない事前チェックです。経験上、ヒビが大きいほどフレキケーブルへのストレスも大きく、表示は出ても Touch ID やフロントカメラが死んでいる、というケースも珍しくありません。
診断にかかった時間は約 10 分。「分解前の見立てで部品交換だけで済みそうか、基板側にも影響がありそうか、ある程度の方向性をお伝えします」とご説明し、お見積もりにご納得いただいてからお預かりとなりました。料金は機種・症状によって異なります。詳しくは修理料金の目安のページをご覧ください。
パネル交換 — 当店での修理工程
iPhone 8 は 2017 年発売モデル。発売から 8 年が経ち、防水パッキンの劣化や、過去に他で開けられた形跡(ネジ山の潰れ、フレキの折れ癖)が見られることも。今回の個体は、お客様自身も他店利用歴は無いとおっしゃっており、内部を開けてみても初開封の状態でした。きれい、でした。
工程としては、(1) 下部ペンタローブネジ 2 本の取り外し、(2) 吸盤で慎重にディスプレイを浮かす、(3) 上部のヒンジ部分をゆっくり開く、(4) 液晶側 3 枚のフレキ(ホームボタン・LCD・デジタイザ)を保護板ごと外す、(5) ホームボタン(Touch ID 紐付け)と近接センサーアセンブリを新パネルへ移植、(6) 仮組みで動作確認 — という流れです。
iPhone 8 の場合、ホームボタンのフレキは元々個体に紐付いており、新品パネルに付属のホームボタンを使うと Touch ID が機能しなくなります。ここを見落とすと「指紋認証だけ使えない iPhone」になってしまうため、必ず純正の元ホームボタンを移植する。これが 8 / 8 Plus / 7 / 7 Plus シリーズ共通の鉄則となります。
パネルを取り付けたあと、防水テープを枠に沿わせて貼り直し、上部から下部へと閉じていきます。ペンタローブを締めて完了。お預かりから組み上げまで、混雑がなければ 40 分程度が目安(在庫・診断結果により前後)。詳しい工程はiPad画面割れ修理の流れのページでも、画面修理全般の流れとしてご覧いただけます。
仕上げの動作確認とお引渡し
仮組み段階で必ずやるのが、白背景・黒背景・赤緑青のテスト画像を全画面表示してドット抜けや色むらを確認する作業。続いてタッチ感度を四隅と中央でなぞり、ピンチ操作も含めて検証します。Touch ID は「設定 > Touch ID とパスコード」から指紋認証を試していただき、お客様にも確認をお願いしました。
「あれ、前より反応がいいかも」とおっしゃっていただけたのは、正直なところ嬉しかったです。古いパネルは細かいヒビが入った時点で、目には見えなくてもタッチ層にも影響が出ていることがあります。交換後にスッと反応するようになるのは、よく耳にするご感想。
今回交換した部品については、3 ヶ月の動作保証をお付けしています(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページ)。修理後は技術基準適合確認のうえお引渡しいたしました。お預かりから 50 分ほどで、お客様は「まだお昼休みのうちに戻れます」と、図書館へお戻りに。
当店は大阪・松屋町スマエキとして 2019 年から営業しております。地下鉄松屋町駅から徒歩すぐ、来店修理のほか配送修理(郵送依頼)も承っており、東淀川区はじめ大阪市内全域からご来店・お問い合わせをいただいております。スマートフォン・タブレットの修理を専門に対応。営業は 10:00〜19:00、水曜定休です。同じような事例は修理ブログ一覧にもまとめておりますので、よろしければご参考に。
よくある質問
iPhone 8 の画面割れ、データはそのままで修理できますか?
ほとんどのケースで保存データを保持したまま画面パネルのみを交換できます。ただし基板まで衝撃が及んでいる場合や水没併発時は、念のため事前バックアップをお願いしております。
Touch ID(指紋認証)は画面交換後も使えますか?
はい、当店では iPhone 8 / 8 Plus / 7 / 7 Plus の画面交換時、必ず元のホームボタンを新パネルへ移植します。これにより Touch ID は引き続きご利用いただけます。
お預かり時間はどれくらいですか?
iPhone 8 の画面交換は混雑がなければ 40 分前後が目安です。診断や追加部品の発注が必要な場合は、お時間をいただくこともあります。
落下後、画面は割れていないが反応がおかしいときも見てもらえますか?
はい、内部の液晶パネルやデジタイザだけが損傷しているケースもあります。分解前のお見積もりは無料、ご相談だけでも歓迎です。
東淀川区から松屋町まで、来店以外の方法はありますか?
当店は配送修理(郵送依頼)も承っております。お問い合わせフォームより機種と症状をお知らせいただければ、配送手順をご案内します。