
商品棚整理中、段ボール箱と一緒に落ちた一台
先日、大阪府堺市西区にお住まいの 45 歳の男性のお客様が、画面が割れた iPhone 12 Pro を手にご来店されました。お仕事はホームセンターの店長さんとのこと。閉店後の店内で上段の棚を整理していたところ、重ねて置いてあった段ボール箱が前のめりに崩れ、ポケットから飛び出した iPhone 12 Pro が一緒に床へ落下したそうです。
「箱を抑えようと身を乗り出した瞬間、胸ポケットから滑り落ちて、コンクリの床に画面から叩きつけられました」と苦笑いされていました。落下した高さは床から約 1.6 メートル。当店では落下による画面破損の相談を月に 20〜30 件ほどお受けしていますが、業務中の不意の落下というのは、経験上もっとも多いパターンの一つでした。
店内でひととおりお話を伺うと、画面右上から左下に向かって稲妻のようなヒビが走り、画面の上半分はタッチがほぼ反応しない状態。下半分は反応するもののゴーストタッチ(意図しない誤操作)が頻発しており、ロック解除のスワイプすら一筋縄ではいかないご様子でした。同じ症状の他事例をご覧いただくと、12 Pro の画面割れがどれだけ典型的な相談かお分かりいただけると思います。
診断|ガラスだけか、液晶まで届いているか
まずはお預かり前の目視診断から。iPhone 12 Pro の画面破損は、表面のカバーガラスだけが割れているケースと、その奥の液晶パネル(OLED)まで損傷が達しているケースがあり、料金構成が変わってまいります。今回はテストアプリで全画面に色を表示させて確認したところ、上半分に薄く線状の漏れが出ており、これは OLED のドライバ部に衝撃が及んでいる兆候でした。
続いて筐体のゆがみチェック。フレーム四隅を定盤に当てて隙間を見ると、左下の角がほんのわずかに浮いており、フレーム側にも微細な変形があるとわかりました。お客様には「画面のガラスと液晶を一体で交換、フレームのゆがみは矯正で対処、Face ID と各種センサー類は元のものを移植します」と方針をご説明。
あわせて確認したのが、画面以外の動作。バッテリー最大容量は 84 パーセントで交換は急がない数値、本体側面のサイドボタンと音量ボタンは問題なし、リアカメラのレンズ表面にも傷なし。フロントカメラ・スピーカー・近接センサー部品は、いま付いているものを丁寧に外して新しい画面側へ移植する流れになります。お見積もりは分解前に提示し、提示後のキャンセルも承りますとお伝えしました(分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)。
店長さんは「お店の発注業務もこの端末でやっていて、明日の朝までには戻したい」とのこと。当店の在庫を確認すると 12 Pro 用の純正同等画面はその場で 2 枚ストックがありましたので、機種・症状によっては当日返却可能なケースもありますとお答えし、お預かり時間の目安は 60 分前後とご案内しました。
修理工程|旧画面の取り外しから新画面の動作確認まで
作業台に移して、まずは下部のペンタローブネジ 2 本を外し、専用のサクションカップで画面をわずかに浮かせます。iPhone 12 Pro は防水パッキン(ガスケット)が画面と本体の間に挟まっていますので、ヒートマットで全体を 50 度ほどに温めてから、ピックを少しずつ滑らせて旧画面を持ち上げました。ヒビが深い場合はピック先端で液晶側を傷付けないよう、引っかかりを感じたら一度温め直すというのが当店の手順です。
本体内部に入ると、まずはバッテリー上のシールドプレートを外し、画面側 3 本のフレキケーブル(ディスプレイ・デジタイザ・Face ID 関連)を切り離します。今回はフレームのゆがみがありましたので、専用の矯正治具にセットし、左下角を 0.2〜0.3 ミリ単位で押し戻し。元の画面が無理なくはまっていた位置まで戻したところで、新しい画面のテストフィットへ。
新しい画面に、旧画面から取り外した近接センサー、フロントカメラ、ピエゾスピーカーの三点セットを移植。これらが正しく座っていないと、通話時に画面が消えなかったり Face ID が通らなかったりしますので、移植後はテンプレート上で位置決めをやり直します。フレキを本体側に接続し、組み付け前の仮通電で表示・タッチ・Face ID の三点を確認しました。
仮通電のあとは、防水パッキンを新しいものに張り替え、ペンタローブで本体下部を締めて完了です。当店では完了直後にもう一度フルテストを通します。チェック項目は表示色ムラ・タッチ全面反応・3D Touch 圧力感度・Face ID・自動明るさ・近接センサー・通話用スピーカー・サイドボタンの 8 項目。落下品の場合は、内部基板のゆがみで Wi-Fi の感度が出ないケースもまれにありますので、Wi-Fi のスピードテストも追加で実施します。iPad画面割れ修理の流れもほぼ同じ手順で進めますので、タブレットの落下相談もよくお受けしています。
完成後|店長さんの第一声と、お渡し時の確認事項
お預かりから 55 分ほどで作業が完了。お渡しテーブルでお客様ご自身に動作チェックをしていただきました。新しい画面に Apple ロゴが映った瞬間、店長さんは「うわっ、戻ってる戻ってる」と笑顔に。発注アプリを開いてピンチイン・ピンチアウトを試され、「タッチがちゃんと吸い付く感じ、これですよ」と安心したご様子でした。
お渡し時には三点お伝えしています。まず、交換した画面に対して 3 ヶ月の動作保証(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページをご参照ください)。次に、防水パッキンは新品に張り替えていますが、メーカー出荷時と同等の防水性能を保証するものではないこと。最後に、ガラスフィルムや手帳型ケースのご利用で再発リスクが下がることをお話ししました。
ホームセンターという業態柄、棚の整理や台車の積み下ろしで端末を落とす場面は避けにくいかと思います。「胸ポケットではなく腰のホルスターに変えます」とおっしゃっていたのが印象的でした。当店は 大阪・松屋町スマエキとして 2019 年から地下鉄松屋町駅徒歩 1 分の場所で営業しており、堺方面からのご来店も少なくありません。営業は 10:00〜19:00、水曜定休でお待ちしています。
料金は機種・症状によって異なります。事前のお見積もりは無料、提示後のキャンセルも可能です。今回のような落下・画面割れの目安は 修理料金の目安のページにまとめてありますので、ご来店前にざっとご確認いただけます。郵送修理にも対応していますので、堺市内・大阪市外の方からのご依頼もお問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。他にも落下後のトラブル事例は 修理ブログ一覧にまとめています。
よくある質問
iPhone 12 Pro の画面割れは、ガラスだけと液晶までで料金は変わりますか
はい、表面ガラスのみの破損か、内部の OLED まで損傷が達しているかで部品構成が変わります。当店では分解前の目視と画面表示テストで切り分けてからお見積もりを提示し、提示後のキャンセルも承っております(分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)。
落下で画面が割れた場合、データはそのまま残せますか
ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能です。ただし基板にダメージが及んでいる重度のケースでは、事前バックアップをおすすめしています。今回の iPhone 12 Pro の事例でも、データはそのままお返ししました。
業務で使っているので早く戻したいのですが、当日中に受け取れますか
在庫がある画面交換であれば、機種・症状によっては当日返却可能なケースもあります。お預かり時間の目安は画面交換で約 60 分前後(在庫・混雑状況により前後します)。お急ぎの場合は事前にお問い合わせフォームからご連絡いただけるとスムーズです。
落下後にフレームが少しゆがんでいる場合も交換できますか
軽度〜中度のゆがみであれば、専用の矯正治具で調整したうえで新しい画面を組み付けます。ゆがみが大きく内部基板まで影響している場合は、別途診断のうえで方針をご相談しております。
堺市から松屋町まで来店できないのですが、郵送でも依頼できますか
郵送修理にも対応しております。発送・返送の手順や梱包のコツについて、お問い合わせフォームよりご連絡いただけましたらご案内いたします。当店は大阪市中央区松屋町住吉、地下鉄松屋町駅徒歩 1 分です。