Androidの多様性と修理の現状
ホームボタンがなくなったiPhone Xに抵抗を感じて、iPhone 8の使用を続ける人は少なくありません。iPhone 7やそれ以前を愛用している人も多いですし、噂のiPhone SE 2の登場を心待ちにしている層も存在します。
この傾向はWindowsにも共通していますね。Vistaが出たときも、8や10が登場したときも「前のバージョンの方が使いやすい」という声は絶えません。結局のところ、使い慣れた環境が一番快適に感じるというだけの話だと思います。
様々なメーカーが個性的な機種を開発できるAndroidユーザーは、新しいものへの適応力が高いのではないでしょうか。今回はそんなSIMフリー人気機種のZenFoneシリーズから、2018年発売のZenFone 5Zについて見ていきます。
水没したZenFone 5Zの分解
こちらは先日お預かりしていたASUS ZenFone 5Z (ZS620KL)を分解した状態です。通常の修理――画面割れやバッテリー交換など――でこれほど基板を露出させることはまずありません。
たとえば画面修理なら、ディスプレイケーブルがバッテリーの下側を通っているので、最初にバッテリーを外して、表面から隙間にカッターを差し込んで丁寧に分離させていく。分離できたら新しい画面を取り付けて元に戻すだけで作業完了です。バッテリー交換だって、同じ工程を途中まで進めれば対応できることがわかります。
では、なぜここまで基板を取り出しているのか。それはですね、今回の修理依頼が水没復旧だったからなんです。
水没時に何が起きているのか
そもそも水没したスマホがおかしくなる理由を理解するには、実際に開けて見るのが一番わかりやすい。基板の上には細かいコネクタや、極小サイズのコンデンサといった部品が実装されています。これらが水に接すると、ショートして過電流が流れ、パーツが焼けてしまうわけです。仮に焼損を免れたとしても、水に含まれるミネラルが結晶化して、通電を妨害することは十分あり得ます。
実際、この端末の下側のサブ基板とメイン基板を繋ぐコネクタ部分に、はっきりと焦げたような痕跡があるんですよ。通常は金色に並んでいるはずの端子が黒ずんでいます。完全に通電が遮断されているのか、単に汚れているだけなのか、目視では判断できない状態です。
水没復旧の作業プロセス
水没復旧修理は、まず基板を取り出して洗浄するところから始まります。きちんと乾燥させないと復旧率が落ちるので、基本的には1日以上のお預かりになります。急ぎの場合は数時間の乾燥で組み立てることも可能ですが、当然ながら復旧率には影響が出てくるので、あまり推奨はできません。
十分に乾いたら組み上げて、実際に起動するか確認します。預けられた時点では、充電しても画面やボタンに全く応答がない状態でした。何とか起動する段階まで持っていき、スリープボタンを長押しすると……反応なし。充電ケーブルを挿したら赤いランプは付きますが、不安定で点いたり消えたりしている。やっぱりサブ基板のコネクタが怪しいですね。
代替案の検討
他にやれることはないのか――いえ、まだあります。実際のところ、水没によって画面やバッテリーが駄目になっているケースもあります。ZenFone 5Zは幸いにも、どちらも背面にコネクタがついているので、新しい部品と付け替えるだけで動作確認ができるんです。起動すれば、また分解して部品を交換すれば正常に使えるようになるはず。ただし、基板自体にダメージが入っているのは確実なので、今後どれくらい使えるかは保証できません。動くようになったら、すぐにバックアップを取っておくのが賢明でしょう。問題は、交換用の画面やバッテリーの在庫が手元にないことでした。
ということで、本日の作業はここまでです。続きは部材が入荷してからになります。充電の状態が良くないので、ドックコネクタも一緒に交換した方がいいかもしれません。お客様に説明したところ、入荷を待つということでしたので、着いたら早速対応させてもらいます。ここが踏ん張りどころですな――頑張ります!
Androidの多様性と修理対応
Androidは機種によって内部構造が大きく異なります。これも、様々なメーカーが参入しているAndroidスマホならではの特徴で、修理部材の入手難易度も機種によって色々です。
iPhoneの修理店は世の中に大量にありますが、Androidにしっかり対応している店舗はまだまだ少ないのが実情。お困りでしたら、当店にお気軽にご相談ください。