「孫のDVD撮影で活躍していた一台」というご相談

先日、大阪市東淀川区から70代の男性のお客様が、紙袋に大事そうにiPhone 6を入れて当店までお越しくださいました。退職後の楽しみとして、お孫さんの運動会や発表会の様子を撮影しては、ご自身でDVDに焼いてご家族に配っているそうで、その動画素材が全部この一台に入っているとのこと。

状況をうかがうと、その日の朝、ベランダで植木鉢の土を入れ替える作業をしていたとき、ポケットからiPhoneが滑り落ち、コンクリートの床にちょうど画面側から着地してしまったそうです。「あっ、と思ったときには遅くて」と苦笑いされていました。

iPhone 6 screen-crack 修理事例

画面を見せていただくと、左上から放射状にヒビが広がり、右下のあたりはガラス片が一部欠けて素手で触ると危ない状態。それでも電源は入っており、画面の表示自体はかろうじて見えるという、不幸中の幸いのような症状でした。月に3-4件はこういった「機種は古いが思い出が詰まっているから直したい」というご相談を当店ではいただきます。

iPhone 6 という機種の診断ポイント

iPhone 6 は2014年発売、当店が創業した2019年の時点ですでにメーカーサポートの線引きが進みつつあった機種です。今となっては10年以上前のモデルとなりますが、ご年配のお客様や「使い慣れているから変えたくない」という方からのご相談は、経験上いまだに途切れません。

診断台に置いて、まず確認したのは以下の項目でした。タッチパネルの反応、Lightningコネクタからの充電動作、ホームボタンの反応、内蔵スピーカー・マイクの動作、そしてフロントカメラとリアカメラの起動。今回のお客様の端末は、画面表面のガラスは派手に割れていたものの、内側の液晶パネルは無事で、タッチも全領域で反応していました。

iPhone 6 のような旧機種で気をつけているのは、ホームボタンに搭載されているTouch ID指紋認証のフレキシブルケーブルです。このケーブルは元のホームボタンに固有のもので、画面交換の際に断線させてしまうとTouch IDが使えなくなってしまうため、慎重な分解が求められます。同じ症状の他事例でも書いているように、画面割れに見える案件でも内部の状態は一台ずつ違うので、まずは丁寧に状態を見ることから始まります。

分解から組み付けまでの作業の流れ

お見積もりにご納得いただいたあと、店舗奥の作業ブースで分解を開始しました。iPhone 6 は本体下部、Lightning端子の左右にある精密ネジ2本を外し、専用の吸盤で画面を持ち上げる方式です。新しい機種と違い、画面を上に開く方向で展開する設計のため、ヒンジの可動範囲を超えてしまうとフレキを傷めるおそれがあります。

画面を慎重に開いて、内部のシールドプレートを外し、ディスプレイアセンブリをつないでいる4本のフレキシブルケーブルを順番に取り外しました。割れた画面側からホームボタン、フロントカメラ、近接センサー、イヤースピーカーのパーツを丁寧に移植していきます。お客様の思い出が詰まっている端末なので、いつもより気持ちゆっくり、確認を多めに進めました。

新しい画面を仮組みして、まずは電源を入れて動作確認。表示は正常、タッチも全画面OK、Touch IDも反応。フロントカメラと近接センサーも問題なし。ここまで確認してから、本組みに入ります。防塵・防滴の粘着シートを貼り直して、画面を本体に戻し、ネジを締め直して完了です。お預かりからお返しまで、機種・症状によっては当日返却可能なケースもありますが、今回のお客様には店内でしばらくお待ちいただきました。

復旧後のお客様の反応とアフター対応

修理が終わった端末を「お待たせしました」とお渡しすると、男性は両手で受け取って、すぐに写真アプリを開かれました。お孫さんが運動会で走っている動画のサムネイルが並んだ瞬間、「これこれ、これがあったから直したかったんですよ」と本当に嬉しそうな表情を見せてくださり、こちらまで気持ちが温かくなりました。

お渡しの際にお伝えしたのは、交換した部品に対して3ヶ月の動作保証が付くこと(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページ)、そしてiPhone 6 という機種の性質上、バッテリーの劣化が進んでいる場合は別途バッテリー交換のご相談もお受けできること。今回のお客様は電池の持ちが少し気になるとおっしゃっていたので、また改めてご来店いただけるとのことでした。

当店ではお問い合わせフォームより、機種名と症状をお知らせいただければ、修理の流れと所要時間の目安をご案内しています。同じiPhoneでも世代によって分解の難易度が変わりますし、iPad の画面割れですと別の手順となります。気になる方はiPad画面割れ修理の流れもあわせてご覧ください。修理ブログでは過去の事例もまとめていますので、ご参考になれば。修理ブログ一覧から症状別に検索できるようになっています。

大阪市東淀川区から松屋町までは地下鉄でお越しいただきましたが、ご年配の方でもアクセスしやすい立地と、お預かりしている間に近くの神社や商店街でゆっくりお過ごしいただける環境というのが、店舗を構える際にこだわった点でもあります。営業時間は10:00〜19:00、水曜定休。大阪・松屋町スマエキでは、来店修理のほか配送修理(郵送依頼)もお受けしていますので、遠方の方や外出が難しい方もご相談ください。料金は機種・症状によって異なりますので、修理料金の目安のページからお問い合わせフォームでご質問いただければ、分解前のお見積もりは無料、お見積もり提示後のキャンセルも可能です(分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)。

よくある質問

iPhone 6 のような古い機種でも修理してもらえますか

はい、当店では2019年の創業時からiPhone 6 世代を含む旧機種にも対応してきました。部品の在庫状況によりお時間をいただく場合がありますが、まずはお問い合わせフォームよりご相談ください。

画面が割れたままでも中の写真や動画は残りますか

ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能です(基板修理・水没等の重度故障は事前バックアップ推奨)。今回の事例のように画面のガラスのみ破損で内部基板が無事な場合、思い出のデータはそのまま新しい画面に引き継がれることが多いです。

ベランダなどで落としたあと、すぐに使い続けて大丈夫でしょうか

ガラス片が指に刺さるおそれがあるため、画面に大きく割れがある状態での操作はおすすめしません。さらに割れ目から内部に水分や粉塵が入ると、液晶や基板への二次故障につながることもあります。早めのご相談をおすすめします。

Touch ID(指紋認証)は画面交換しても使えますか

iPhone 6 の場合、もともと付いていたホームボタンを新しい画面側に移植する作業を当店で行います。経験上、適切に移植すれば指紋認証は引き続きお使いいただけるケースが多いです。