先日、当店に「iPhone 7 Plus を洗面台に落としてしまい、その夜から電源が入らない」というお客様がご来店されました。お預かりして開けると、内部の基板表面に薄く水滴の跡が残り、Lightning コネクター付近にはすでに微細な錆がにじみ始めていました。お持ち込みは水没から約 18 時間後。「気付いたときには手遅れかも」と顔を曇らせるお客様には、現場での感覚をそのままお伝えしています。
iPhone 7 Plus の水没復旧は、月に何件もご相談があります。実は iPhone 7 以降の「耐水」を謳ったモデルこそ、長く使うほど水没で持ち込まれます。今回はその理由と当店の対応方針を整理しました。
iPhone 7 Plus の耐水性能はあくまで新品時の話
iPhone 7 Plus は IP67 等級の耐水性能を持っています。ただしこれは新品出荷時の試験値であり、購入から数年経った端末で同じ性能が維持されているわけではありません。実態としては以下の理由で耐水性が落ちていきます。
- 本体周囲の防水ガスケットの経年劣化
- 充電端子周辺のシールテープの摩耗
- 過去の画面交換などで防水構造が再現されていない
- 落下による微細なフレーム変形
正直なところ、当店で水没修理にいらっしゃるお客様の半数近くは、iPhone 7 / 7 Plus / 8 / X 以降の「耐水であるはず」の機種です。
水没してから何時間まで救出できるか
水没してからの経過時間と復旧率には、かなり明確な相関があります。当店の体感値ではこんな具合です。
- 1 時間以内:復旧率およそ 9 割
- 6 時間以内:8 割
- 24 時間以内:5〜7 割
- 48 時間以降:3〜4 割
- 1 週間以上:2 割を切る
大事なのは「電源を入れない」「乾かそうとしない」「修理店にすぐ持ち込む」の 3 点です。電源が入っているまま放置されたケースほど復旧が難しくなります。
松屋町スマエキでの水没復旧手順
当店の作業は次の通りです。
- 分解して画面・バッテリー・基板・カメラ・スピーカー等を分離
- 専用クリーニング液で基板表面を洗浄
- 超音波洗浄で目に見えない汚れを除去
- 基板を完全乾燥させる
- 各パーツの動作確認
- 必要なパーツの交換(バッテリー、ドックコネクター、画面など)
- 組み戻し、最終動作チェック
所要時間は最短で半日、状態が悪い場合は数日のお預かりとなります。データ取り出しだけが目的の場合、短時間で復旧できれば iCloud バックアップまで取っていただけます。/sumaho/show-369.html
水没後にやってはいけないこと
救出率を下げる典型的な行動は以下です。
- 電源を入れたまま放置(基板にダメージが広がる)
- 振って水を出そうとする(内部に水が回る)
- ドライヤーで温める(基板の半田が緩む可能性)
- 米びつに入れる(効果はほぼなく、米粒が内部に入るリスク)
- 充電器を繋ぐ(ショートして基板が即死する)
これらは全部、当店で実際に「やってしまったあと持ち込まれた」ケースです。気持ちは分かるのですが、結果として救出率が大きく落ちるので、水没した瞬間は「電源オフ・拭き取り・修理店」の 3 点でお願いします。
復旧後の付き合い方
水没から復旧した iPhone 7 Plus は、内部の基板に微細なダメージが残ります。同じ端末をその後 1 年以上問題なく使えているケースもあれば、半年で再び不調が出るケースもあり、個体差が大きいのが現実です。/sumaho/show-1364.html
当店ではこうご案内しています:「復旧したら、まず iCloud バックアップを最新化。新端末への移行を視野に入れる。とくに大切なデータは別端末にも保管する」。
料金とお問い合わせ
料金は機種・症状・水没経過時間によって異なります。お電話または来店時にお見積もり致します。修理確定までキャンセル可能です。
よくあるご質問
iPhone 7 Plus を水没させて 3 日経ちましたが、まだ救出可能ですか?
復旧率は下がりますが、可能性はゼロではありません。データ取り出しだけでも試してみる価値はあります。
水没修理に保証は付きますか?
水没修理は内部ダメージが完全に把握できない性質のため、通常の 3 ヶ月保証は付けておりません。事前にご了承ください。
修理時間はどれくらいですか?
最短半日〜数日です。状態によって大きく変わります。
データ取り出しだけでも対応できますか?
はい、対応可能です。動作確認後、iCloud バックアップなどを通じてデータを救出します。
復旧した端末はその後どう使えばいいですか?
すぐに iCloud バックアップを取り、当面はサブ機・データ取り出し用としてお使いください。新端末への移行を視野に入れることをお勧めします。