
展示場で建材サンプル直撃、面談中の冷や汗
先日、当店に大阪府茨木市から 30 代男性のお客様がご来店されました。住宅メーカーで営業をされている方で、休日に住宅展示場でお客様対応をしていた最中の出来事だったそうです。
展示用に並べていた外壁サイディング材のサンプルを手に取って説明している途中、胸ポケットに差していた iPhone 12 Pro がするりと滑り出し、運悪く床に置かれていた重めの石材調サンプルの角に直撃してしまったとのこと。お客様の前で「あっ」と声が出てしまい、その場では平静を装ったものの、画面を見たら左下からヒビが放射状に走っていて、内心は冷や汗ものだった、と苦笑いしながら話してくださいました。
お見せいただいた本体は、ヒビは派手でしたが幸い液晶の表示自体は生きていて、タッチ操作にも遅延はなさそうな状態。ただ、左下の角に近い部分はガラスが少し浮き上がっていて、指で触れると鋭利な感触がありました。「お客様の連絡先はほとんどこの中なので、データだけは飛ばしたくない」というのが、ご来店時の一番のご希望でした。
当店ではこういった「営業中・接客中に落としてしまった」というご相談を、月に 3〜4 件ほどお受けしています。同じ症状の他事例でも書いていますが、胸ポケット・ジャケットの内ポケットからの落下は、思ったよりダメージが大きくなりがちなパターンでした。
診断:タッチは生きている、でもフレームに微妙な歪み
まずは受付カウンターでお客様にお声がけしながら、外観のチェックから始めていきます。iPhone 12 Pro はフラットなステンレスフレームが特徴のモデルで、角からの衝撃が直接ガラスのコーナーに伝わりやすい構造でした。
今回は左下のコーナー近くに着地点があり、ガラスのヒビは左下から中央付近まで放射状に。さらにフレームの左下にも、爪で触ると引っかかる程度の小さな打痕が確認できました。本体を平らな台に置いてみると、わずかですがコーナーが浮く挙動があり、フレームに微妙な歪みが入っているようです。
続いて、お客様の目の前で動作チェックを行いました。タッチ感度を 9 分割で順番に押してもらい、すべての領域で反応することを確認。Face ID も問題なく解錠でき、フロントカメラでの撮影、近接センサーでの画面消灯、ステレオスピーカーの音量バランスも正常。これらが揃っていれば、画面交換だけで復旧できる見込みが立ちます。
ただ、フレームの歪みが軽度とはいえあるため、新しい画面パーツがきれいに収まらない可能性は事前にお伝えしました。「組み付けの段階で微調整が必要になります、もし歪みが想定より深かった場合は途中でご連絡します」とお話しして、ご納得のうえお預かりしています。分解前のお見積もりは無料、お見積もり提示後のキャンセルも可能(分解診断・部品発注後は所定の手数料が発生する場合があります)です。
修理工程:歪みフレームの押し戻しと、防水テープの貼り直し
作業ブースに移って、ヒートパッドで本体を温めながら粘着剤を緩めるところからスタート。iPhone 12 Pro は防水仕様で、画面パーツの周囲がぐるりと粘着テープで封じられている構造のため、いきなりこじ開けると内部のフレキケーブルを傷める恐れがありました。
吸盤と薄いピックを使って慎重に隙間を作り、左下のコーナーは特にゆっくりと進めていきます。今回はフレームに軽い歪みがあったため、こじ開ける角度を 0.5 mm 単位で調整しながら、ピックがコーナーで止まらないようにするのが最初の山場でした。
画面を持ち上げると、有機 EL パネルから伸びるフレキケーブル、Face ID とイヤースピーカーのモジュールが見えてきます。それぞれのコネクタを順に外し、ステンレスのカバープレートを取り外して、古い画面アセンブリを切り離しました。続いて、左下フレームの歪みを治具で慎重に押し戻していきます。完全な原状復帰は難しい場面もありますが、新しい画面が浮かない程度まで整えるのが当店の基本方針でした。
防水テープも全周分を新しいものに貼り直し。元のテープのカスをアルコールで丁寧に除去してから、規定の幅で順番に貼っていきます。ここを省略すると後日の汗や雨で内部に湿気が入り込みやすくなるため、当店ではどの画面交換でも必ず行っている工程です。iPad画面割れ修理の流れと基本的な手順は近いのですが、iPhone のほうが部品が密集している分、ピンセット作業の細かさが求められます。
新しい画面パーツに Face ID 関連モジュールとイヤースピーカーを移植し、コネクタを順番に接続。仮組みの状態で電源を入れ、表示・タッチ・Face ID・スピーカー・近接センサーをひと通り再チェックしてから、最後に画面を本体に圧着しました。お預かり時間はバッテリー交換で約 30 分目安(在庫・混雑により前後)とご案内していますが、画面交換は工程が多くなるため、機種・症状によっては 60〜90 分目安となります。
完成後:営業先のリストも無事、即日でお返しできた一台
仕上がりの確認時、お客様にも一緒に画面を見ていただきました。ヒビのない真新しいガラス越しに表示されたホーム画面を見て、思わず「いやー、助かりました」と漏らされたのが印象的でした。連絡先データもメッセージの履歴もそのまま残っており、進行中だった商談メモも無事だったとのこと。
機種・症状によっては当日返却可能なケースもあり、今回はちょうど在庫があったため、ご来店から 1 時間半ほどでお渡しすることができました。営業職の方は「明日のアポでこれが使えないと困る」というケースが多いので、可能な限り即日でお返しできる体制を 2019 年の創業当時から大切にしています。
お引渡しの際には、交換した部品に対して 3 ヶ月の動作保証(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページ)についてご説明。修理後は技術基準適合確認のうえお引渡しいたしました。さらに、今回のように胸ポケット落下が多い方には、本体のフレーム形状にしっかりフィットするバンパーケースをおすすめしています。スマホリングや薄手のケースだけだと、コーナー直撃のときにガラスが先に当たってしまう構造でした。
当店スマエキは大阪・松屋町にあり、営業時間は 10:00〜19:00(水曜定休)。茨木市からだと阪急・大阪メトロ堺筋線で松屋町駅まで来ていただけます。郵送での配送修理にも対応しているため、平日に時間が取れない営業職の方からも 2019 年からご相談を多くいただいてきました。大阪・松屋町スマエキでは、iPhone をはじめ Android、iPad、ゲーム機まで幅広く対応しており、機種・症状によって対応範囲が変わります。料金は機種・症状によって異なります。お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。修理料金の目安もあわせてご覧いただければと思います。
他の機種・症状の事例については修理ブログ一覧でも順次公開していますので、ご自身の状況に近いケースを探してみてください。今回のお客様のように「お客様の前で落としてしまった」という冷や汗エピソードは、経験上、決して珍しいものではありませんでした。
よくある質問
iPhone 12 Pro の画面割れでも、データは残ったまま修理できますか?
ほとんどの修理でデータを保持したまま対応可能(基板修理・水没等の重度故障は事前バックアップ推奨)です。今回の事例のように画面パーツのみの交換であれば、内部のストレージには触れずに作業しますので、連絡先・写真・アプリの状態はそのまま残ります。
ヒビは入っていますがタッチは反応しています。修理は急いだほうがよいですか?
経験上、早めの修理をおすすめしています。ヒビから内部に湿気や微細なホコリが入ると、後からタッチ不良や液晶のシミに発展するケースがあるためです。今回の iPhone 12 Pro のように現状はタッチが効いていても、放置すると症状が広がる可能性がありました。
茨木市からの来店ですが、当日中に受け取れますか?
機種・症状によっては当日返却可能なケースもあります。iPhone 12 Pro の画面交換は在庫があれば概ね 60〜90 分目安でご案内しており、当店の営業時間は 10:00〜19:00(水曜定休)です。混雑状況によって前後するため、事前にお問い合わせフォームからご連絡いただけるとスムーズでした。
フレームに歪みがある場合、修理はできないのでしょうか?
軽度の歪みであれば、当店で治具を使って押し戻したうえで新しい画面を取り付けることが多いです。歪みが大きく、画面パーツがきれいに収まらないと判断した場合は、お客様にその場でご報告して進め方をご相談しています。
保証はどのような内容ですか?
交換した部品に対して 3 ヶ月の動作保証(落下・水濡れなど使用上のトラブルは対象外、詳細は保証規約ページ)を付けています。修理後の自然故障があれば期間内は無償で再対応しますので、お預かり時にお渡しする保証書を保管いただくようお願いしています。